ドビュッシー/12の練習曲より10本の指のための
要素ごとの音色、表現、デュナーミクを求める
部分練習を重点的に
かつ、流れを切らさないように
🎵「最後の5連符のところはよかったです。そのあとも、部分の雰囲気を描き分けたら後はもう大丈夫です」
🐌「こーゆーのは弾けるんだけどねえ…」
🎵「でもイメージはお持ちのようなので、それをそのまま活かしてみてほしいです…次はどれにしますか」
🐌「あー、じゃあモーツァルト…してからドビュッシー…でもないか」
わたしは重なってた楽譜を順にまくり、そして入れ替えた。
🐌「ドビュッシー弾いてたんだから次もドビュッシー弾いてからのモーツァルトですよねえ、わざわざモーツァルト間に挟んでくるこたァないよなぁ」
🎵「いえいいんですよどっちでも」
🎵先生は、きょとんとわたしを見下ろしている。
🐌「………うーんなんだろう、なんかやな気がする」
わたしはやっぱり表にしたドビュッシーのほうを開いた。
前奏曲集第1巻より帆
全体の雰囲気は問題ない
クライマックス前、すこしもったいつけて
テーマがどこで出てきてもテーマとわかるように、他のリズムにつられて揺れちゃわないように
終結していくところはほどほどの軽みで
モーツァルト/k333第一楽章
弾き始めですぐさま止められる。
🎵「待ってください、なんだかドビュッシーですよ?」
🐌「え」
🎵「手と音と耳がいまひとつ連携してない感じがします、まずテンポを落として」
弾いてみる、と、同じところで止められる。
たしかに音色がぜんぜんモーツァルト的でない。
もっとしっとりと落ち着いて、陰りがあって……
🎵先生は、かわいらしく小首を傾げて、困ったような微笑みを浮かべた。
🎵「ん~…まだまだドビュッシーですよ??」
🐌「ペダル一個も踏んでないのにどうしてドビュッシーになっちゃうんだよお!??」
🎵「はいもう一回」
弾いてみる、しかしどうしても、湿気を帯びた音が出る。
🐌「………ァッあアアアアなんだよこれ!!」
🎵「ん~~~……もっとこう、上に響く音ですね!!切り替えをね、しなくてはいけませんね!!」
ひたすらタッチの練習を繰り返し、どうにかこうにかアホーに明るい音が出せてきた頃、
🎵「あっそこはー!大人に!大人なんだよってとこ見せてください!」
そんなこと急に言われたって!!
つっかかりながら息を切らせながら、どうにかこうにか。
ほかは出来ているので、よく譜を読んで表すこと。
即興
問題なし。
リズムゆったりのものを考えてみる。