5月8日からの当院における新型コロナウイルス感染症診療

2023年05月07日 | 日記・エッセイ・コラム
 2020年2月に結核などと同じ「指定感染症(2類)」相当と指定された新型コロナウイルス感染症は、2023年5月8日から季節性インフルエンザと同等の「5類感染症」に変更され、医療法上の扱いが変わりますので、それに伴う診療上の変更点と当院の対応をお知らせいたします。なおこの変更は当面9月まで、それ以降は流行状況等に応じて再検討される予定です。

〇発熱外来について
 これまでは当院のように厚生労働省や都の方針に従って感染対策を行っている登録医療機関においてのみ、新型コロナ感染症診療を行っておりましたが、今後は原則としてどの医療機関でも診療できることなります。
 当院も必要な感染対策を講じながら、これまで通り発熱患者さんの診療を継続いたします。

〇医療費について
 これまでは感染診断検査の費用(PCR検査、抗原検査に係る費用)、そして感染診断以降の医療費は全額公費負担でしたが、今後は医療保険の負担割合(0~3割)に応じた自己負担が発生いたします。
 具体的には、初診時にはPCR検査と判断料を合わせて850点(8,500円)が公費負担となっていましたが、今後はPCR検査に対して3割負担の方の場合、8,500円の3割、2,550円の自己負担が必要になります。抗原定量検査、判断料込で704点(7,040円)にも自己負担が発生し、3割負担の方の場合2,110円(1円以下切捨)です。
 都の抗原検査キットの無償配布も終わり、無症状や軽症の接触者の診療も減ることから、今後は抗原定性検査がメインになるとおもわれます。
 陽性診断後(市販キット、都の配布キットによる自己検査も含む)の医療費は全額公費負担でしたが、今後は医療保険の負担割合(0~3割)に応じた自己負担額が発生いたします。
 ラゲブリオ、パキロビッド、ゾコーバなどの抗ウイルス薬のみ、9月まで全額公費負担が続けられますが、重症化する感染者が今のところ極めて少ない、緊急承認の新薬のため安全性、特に服用後長期間経ってからのデメリット発現への懸念がある、薬価が高い(5日間服用で10万円程度)という点から、当院では扱っておりません。どうしても処方を希望される方は、扱いのある医療機関を受診してご相談いただきます。

〇入院について
 これまでは、感染者のうち重症者や、療養期間中に重症化して入院が必要になった場合、保健所の調整が必要でしたが、今後は保健所を介さずに、医療機関同士での紹介が可能になります。患者さんと当院が直接相談して受け入れ可能な医療機関を探すことができるようになります。
 入院医療費も、高額療養費の自己負担上限から2万円分を公費で減額、と変更され、自己負担が発生する場合があります。

〇陽性者の保健所への登録、届け出は不要になります。

〇行動制限について
 季節性インフルエンザ同様、発症してから症状改善まで5日間の療養期間(これまでは7日間)、5日後(これまでは7日後)にも症状のある場合は、症状が改善してから24時間の療養期間となりますが、法的な行動制限(隔離、ホテル療養等)は一切なく、無症状の濃厚接触者への検査も必要ありません。