(続き)
ぶらぶら歩いて表参道に向かい、逆方向の電車で別れる筈。私は、なんとなくだけれど、ここで振り返らずに、じゃあね、のつもりだった。
そこで、「茶でもしますかー」とひさびさにあたし宛だと解るような声を出したので、ビビビビビっときた。いつもは、独り言なのか、妖精にでも話しかけるように密やかに話すものだから。
ん、でも電車があああ…と思いつつ、こんな展開を願っていた私。だって、スキなひとと、夜明けまで過ごしたいもん。
「あ、いい案ですね」と心を込めない振りをして、物欲しそうにしていたんだろうな、あたし。
前に読書した、大坊だったっけ、珈琲屋さんを思い出したんだけれど、やっていないことを思いついて、駅のサブウェイ横の珈琲屋さんへ。
誰かと珈琲飲むのって、これほどセクシーなんだ、静かに、とくとくと流れる時間。他のテーブルでは、何故かざるそばがサーブされていて、ちらちら見ながらふたりで笑ったり。何軒でも、足が棒になるまで、歩いてドアを開けたいと思った。
「次のお店は赤坂近くでもいいですか」、鼻に抜けるとても甘い、セクシーな声。この人きっと、高校時代くらいから、甘ったれた声とこの飄々とした態度は変わってないんだろうな。あたしの、図々しさと低い声と同じに。
「足が痛いんです、さっきから」
ずる賢い気持ちと、鈍感すぎて気に掛けてもらえないって解った焦燥感とで、発したあたしの、ここぞとばかりの告白。
「んー、じゃあうちで飲みましょう、ね?」
「あ、そうですね」
というわけで、お邪魔して、MJとサンデルのマイケルWで寝てしまったのでした。なんとなく、音楽や政治の話だと、英語もきつくない。経済や文学だと、お手上げ。
強烈に記憶に残ったのは「タイ語、ホントに勉強してたのかな?」でした。
ぶらぶら歩いて表参道に向かい、逆方向の電車で別れる筈。私は、なんとなくだけれど、ここで振り返らずに、じゃあね、のつもりだった。
そこで、「茶でもしますかー」とひさびさにあたし宛だと解るような声を出したので、ビビビビビっときた。いつもは、独り言なのか、妖精にでも話しかけるように密やかに話すものだから。
ん、でも電車があああ…と思いつつ、こんな展開を願っていた私。だって、スキなひとと、夜明けまで過ごしたいもん。
「あ、いい案ですね」と心を込めない振りをして、物欲しそうにしていたんだろうな、あたし。
前に読書した、大坊だったっけ、珈琲屋さんを思い出したんだけれど、やっていないことを思いついて、駅のサブウェイ横の珈琲屋さんへ。
誰かと珈琲飲むのって、これほどセクシーなんだ、静かに、とくとくと流れる時間。他のテーブルでは、何故かざるそばがサーブされていて、ちらちら見ながらふたりで笑ったり。何軒でも、足が棒になるまで、歩いてドアを開けたいと思った。
「次のお店は赤坂近くでもいいですか」、鼻に抜けるとても甘い、セクシーな声。この人きっと、高校時代くらいから、甘ったれた声とこの飄々とした態度は変わってないんだろうな。あたしの、図々しさと低い声と同じに。
「足が痛いんです、さっきから」
ずる賢い気持ちと、鈍感すぎて気に掛けてもらえないって解った焦燥感とで、発したあたしの、ここぞとばかりの告白。
「んー、じゃあうちで飲みましょう、ね?」
「あ、そうですね」
というわけで、お邪魔して、MJとサンデルのマイケルWで寝てしまったのでした。なんとなく、音楽や政治の話だと、英語もきつくない。経済や文学だと、お手上げ。
強烈に記憶に残ったのは「タイ語、ホントに勉強してたのかな?」でした。