姫先生のおめめ

25年間の養護教諭の経験と脳科学、波動理論から引き出すレジリエンス向上について書いています。

子どもたちのリーダーシップ育成 通学班問題と大人社会

2013年05月11日 | 学校生活

 

 【2013年の記事】


 仕事柄 PTAの講演会、お母さん向けのコーチング講座、生涯学習センターの講座などで

 たくさんのお母さんたちのお話を聞きます。

 
 養護教諭時代も 


 保護者の方から、学校では把握できない子どもたちのようすなどを教えていただくことが多く

 
 子どもたちへの教育活動に生かすことができ、

 お母さんたちの視点とか情報って、すごく生きている生情報!って感じていました。

 
 先日 たまたまお会いした方から、こんなお話を聞きました。

 
 多くの学校で採用されている「通学班」のこと。


 現職中も 小学校で起きるトラブルには 通学班の問題は必ずありました。


 子どもたちの小さな縦社会でおきるトラブルは 大人社会の反映でだと感じていました。

 
 毎年 4月5月は 通学班トラブルが多くなります。

(もちろん 年間をとおしてトラブルが多い通学班もあります。)

 
 先日 お話を聞かせてくださったお母さんは 

 
 「うちの子もいじられやすい子なのですが その状況が酷くなるのが4月5月。

  よくよく考えると 通学班の班長が変わって、班長、副班長になった子供たち自体が 

   ものすごいプレッシャーの中でがんばっているからこその影響もあるのかもしれないって

  感じたんです。」

 
 この方のすごいところは 単に「わが子が被害者」という視点ではなく 

 
 常にできごとをできるだけ客観的にとらえようとされるところ。


(さすがハートマッスルトレーニングジムのコーチングを学んだ方です☆)


 自分の不安と子どもがいじめられることの関係性もちゃんと把握していらっしゃって


 実際自分の思考が変わったら 周りの状況も改善され 子どもも安定したという経験もおもちです。


 とかく陥りがちな 

「だから通学班なんてシステムはやめればいいのよ」なんていいう短絡的な結論にはならないんですね。

 
「通学班のシステムは確かにトラブルが多いけど 

だからといって このご時世 子どもたちがそれぞれに登校したら、危険。

そしたら、アメリカのように親が責任をもって学校への送り迎えをするのかって言ったら 

それも今の日本の状況では無理。だからこそ、

行政は 地域の方による≪見守り隊≫を作ってくださっている。」


 そうそう。


 わたしの地域でも 子どもたちの通学班に 

 地域のおじいちゃんたちが 子どもたちの通学班と楽しそうに学校へ付き添っていらっしゃる。

 素敵な光景があります。


 私が出会った方の中には



 「アメリカは自由だからいい。日本は規則ばかり」


 という一面的なとらえ方をする方もありますが 本当にそうでしょうか。


 欧米の子どもたちは 自由だけを与えられているわけでもなく


 欧米の学校が規則がなく自由ばかりを認めているわけではありません。


 そこには 伝統的に 「自由」は常に『責任』がセットされています。


 「責任」はどんなに幼い子どもでも、自由に伴うものであるということを 


 日常的な子育ての場面で培われています。



 だからこそ

  「君はどうしたいの?」という 質問をし 「僕はこうしたい」を引き出す。

  「では やってごらん。でも、それをやった結果起きることは 君自身が 引き受けるんだよ。」

 と、「責任」は自分自身の中にあるということを 日常の中で伝えています。


 日本はどうでしょうか?


 ある一定の『枠』の中に いかにして入れるかということ

 自分自身がしたことで起きた結果の責任を

 親が引き受けてしまったり

 学校に責任を押し付けたり

 と、犯人捜しをする人がとても多いですね。


 子どもたちも 大人も 一つの結果から 次の糧にするという思考をする機会を 失ってしまう。

誰かが悪かったのだ 何かのシステムが悪かったからこうなったんだと 

責任を押し付けることで 自らが責任と向き合うことを避けようとする傾向があります。

(もちろん、そうじゃない方もたくさんいらっしゃいます。)


 おっとっと。話を戻しましょう。


 先ほどのお母さんのお話が続きます。


 「子どもたちは、子どもたちなりに自分が班長なんだから、がんばってこの班をまとめなきゃって

 思っていて、だから 何か問題が起きそうになるとつい強い口調でいってしまったり・・・・」


 「子どもたちは 

 親からも 学校からも リーダーだから班をまとめなさい、しっかりしなさい、がんばりなさいと

 リーダーとしての役割と責任を求められていっぱいいっぱいなんだと思います。」
 
 そんなお話をしてくださいました。


 ハートマッスルトレーニングジムのコーチングを学んだ彼女


 「子どもたちの通学班の班長指導で 大人がこうあるべきを教え込むのではなく 


子どもたち自身に 考えさせるというコーチング的な視点があると、

子どもたちも親も楽に成長できると思うんですよね~」


 素敵です!


 ただ、「リーダーシップ」そのものについて たくさんの誤解があって


 それは 学校の先生に限らず 親にも社会にも あるなーって思うんです。


 ちょっと 私の考えをまとめてみます。



■「リーダー」とは その組織の人をぐいぐい引っ張るものであり、

それが「リーダーシップ」だという誤解があること


■そのために 「いかに組織のものをコントロールするか」という思考になりがちなこと


■子どもたちの中には メディアで触れる「リーダー」が何か組織で問題が起きると

「責任」という名目で『つるし上げられている』場面をみて、

「何か起きたら自分もあんな風につるし上げられるんだ。」とひそかに恐怖を持っていること

 =だからリーダーなんてめんどくさい(これは実際に現職中に子どもが洩らしが本音です)


■教師も親も「リーダーシップ」について学ぶ機会がなく、指導論や精神論で片付けられている。


■通学班だけでなく、子どもたち自身が「リーダーシップ」について 自分で考える機会も非常に少ない 

 
では、リーダーシップとは何か?


リーダー=人  リーダーシップ=能力


 何の能力? コミュニケーション能力に他ならないのです。


・自分がリーダーとしてこの組織をどうしたいのかのビジョンを明らかにする

・それを組織に示す

・組織の人たちの価値観とビジョンが自分が示したビジョンをつなぐ(リンクさせる)

 →これをするために、発揮されるのがコミュニケーション能力


・同じビジョンに向かうための組織の人のモチベーションを高めるコミュニケーションを継続する


 ということになりますね。


 リーダーになることは誰でもできますが


 的確なリーダーシップを発揮しているリーダーは非常に少ないということですね。


 最終的には リーダーの在り方 持っている波動にぴったりの人が組織に集まると思ってください。

(自分にとって一番必要な人が集まってくるんです。学級でも 会社でも どんな組織でも・・・)


 話、かなりずれちゃったなぁ。



 リーダーシップの勘違いが引き起こす例については 次回の記事で書きますね
 

 
 

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