ちいさなちいさな いのりのことば

 * にしだひろみ *

横顔 *日々のつれづれ*

2015年08月01日 | Weblog

夏の日の午後。

家を囲む森からは、蝉たちの声が絶え間なく聴こえます。

時おり、窓から風が入ってきても、びくともしない暑さ。





息子は、机に向かい、工作に精を出していました。

朝からずっと続けています。

鼻歌を歌ったり、無心になっていたり。


時間のないような時間にいる、そんな時は、声をかけてはいけないような尊さを感じます。





その横顔を、夏の光がなぞっていきます。

まだ幼さの残る、まるい頬を。

数え切れない涙に濡れた、その頬を。






見いられるような瞬間、いつも、思うことがあります。


“生きているということは、奇跡的なこと。”


わたしも、誰も。






息子が今、ここにいて、何かに夢中になっている。

わたしが今、ここにいて、それを眺めている。



それができるということに、この静かな場面の全てに、手をあわせたいような気持ちになりました。







まあるい頬と、夏の光。




今、目の前にあっても、

とどめておけないものだから、

とらえられないものだから、



こいしくて、

かなしくて、

いとしくて。












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