緑 島 小 夜 曲

春を愛する人は、心優しい人。

自然という師

2007年11月26日 18時35分15秒 | 詩論私論
  自然は最高の師なり。というためには、多少の例証が要るであろう。
  まずの一例は俳句の季語である。豊かな自然環境や四季の移ろいがなければ、何にもならない世界最小の詩歌には、「季語」が不可欠である。なんらかの意味で、「自然は日本人に俳句という物を贈った」。もしも俳句が家ならば、季語はその窓、「窓」を開いたら、四季の移りが見える。また俳句が舌ならば、季語はそのミライ(味蕾?辞書では味蕾という漢字はないが)、「ミライの上を味が笑ったり、踊ったりしているようである。」
  今通っている大学は総合大学なのでキャンパスを通り抜ける時、「青空授業」はよく目にする。というのは、農業学部や動物学部の学生らは先生を囲んで授業を受けていることからである。真ん中に囲まれた先生は高いビンロウジの木、あるいは私の知らない茂みを指しながら、葉っぱの形や樹木の成長過程などを説明しているらしい。捕虫網を肩にのせる男子学生を何人も見たことがある。昆虫学部の方であろう。この緑の多いキャンパスには、樹木のほかに蓮、木犀などさまざまな花が咲いている。それに、緑陰の中を、茂みの底には百十万の虫が飛んだり、鳴いたりしている。
  この生き物の王国は何より「最高の師」なり。
  
  


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