緑 島 小 夜 曲

春を愛する人は、心優しい人。

春運

2008年01月07日 12時51分43秒 | 時事雑感
 中国で春節の帰省ラッシュを「春運」という。今年は1月23日から始まるそうであると、ルームメートがネットで調べた。

 毎年「春運」が始まる十数日前に、乗客らが洪水のように駅のホールに込んでくる。所謂「学生流と農民工流」がそれの主力軍。切符売場の前に長い列がいらいらと続いているが、その鉄格子の後は相変わらず無表情、冷たいと感じる。あの仮面のような顔つきのせいか、あるいはざわざわする人の流れに漂う各種の異様な匂いのせいか、気持ちがいつも悪い。

 時々ホールの高い天井から換気機の爽やかな風が少し吹いてくれるが、あっという間に人の勢いに食われてしまった。大きなラッパからアナウンサの優しい声が駅の隅々まで響き、乗客らの注意を呼びかけている。私はアナウンサさんのその声がすきである。専門的な放送教育を受けたことがあるか、あるいは録音物か、どの駅でも殆ど同じ女性が言うように優しく聞こえる。

 「お客様、ただ今から延安行きの***号が本駅到着しました。延安行きのお客様、ご注意ください。(後略)」耳に優しかった。

 もしもその鉄格子の無表情さんも笑顔で優しく対応してくれるならば、いいと思うが、国営の「鉄老大」だから、期待しても無理かも。

 ところが、楽しいこともあるよ。
 年中の苦労や辛さをほっといて帰郷する人々の胸にきっと一つの期待があろう。汗の結晶で、子供に新しい服を買ったり、家族に希望と力を与えたりする。そう思うと、心がいつも温かくなる。

 「春運」は我々にとって辛いかもしれぬ。ところが、この「春運」があるからこそ、人々の心へ「春の匂いと春の希望」が運ばれるであろう。

 今年も良い「春運」を心から祈るように