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千里の道も一歩から

インフルエンザワクチン情報(その3) 1歳未満の接種は?

2008年09月19日 | インフルエンザワクチン

最近、新型インフルエンザ(鳥インフルエンザの性質が変化して人から人へ感染する新種)の脅威が話題になってきています。
鳥インフルエンザと言えば、東南アジアを中心に世界中で多くの死者が出た怖~い感染症です。

現行ワクチンでは予防効果もなく、こんな恐ろしいインフルエンザは流行してほしくないですよね

インフルエンザワクチン接種は、6ヶ月~12歳までは1~4週間の間隔をあけて2回接種となっています。(できれば4週間隔がより効果的ですが、2~3週間隔でも十分OKです)

毎年質問される事の一つに、「1歳未満の赤ちゃんはインフルエンザワクチンを接種した方が良いですか?」と言うものです。

これは一筋縄では答えられない悩ましく難しい質問ですね
これまでの報告や経験から、自分なりに以下のように考えておりますので参考にしてみて下さい。

 1歳未満の乳児への接種は有効率が不明であり積極的には勧めません。

 保育園などの集団生活で感染する機会の多い乳児、喘息などの呼吸器疾患、心臓疾患などを有する乳児は、できる限り接種することをお勧めます。(強制では全くありません)

 1歳未満の本人が接種しない場合には、同居しているすべての家族(両親、兄弟、姉妹、祖父母など)が接種することでインフルエンザを持ち込まないようにして下さい。

参考までに
その①;H16年10月に日本小児科学会が、「1~6歳未満に対するインフルエンザワクチン接種については、発熱を指標とした有効率は20~30%で、脳症を阻止する程の有効性は低いものの、インフルエンザに罹る機会を減らすことが脳症の合併リスクを減らす可能性はある」、また「1歳未満についてはデータが十分でなく有効性は明らかでない」との見解を出しています。

その②;欧米では、乳幼児においても高齢者と同様にインフルエンザの重症化が高いと報告されており、米国などでは6ヶ月~59ヶ月(5歳未満)の乳幼児にインフルエンザワクチン接種する事を勧めています。

今後いろいろと研究もされ有効率もはっきりしてくると思いますが、現在のところは情報も限られており、上記のようにお答えしています

「インフルエンザが流行する来年1月や2月にはお誕生日が来るんですが」と言う場合は...
基本的には接種する時が1歳未満という話ですが、不明な点は外来でご相談下さい。