何日かして、ナガタさんの親御さんからも電話が来た。やっぱり、向こうも私との結婚は無理と判断されたらしい。そりゃそうだろ。無茶苦茶だもん、ナガタさんの人生に対する考え方。紙に書けば立派な経歴の人だけど、あんな人についていったら、こちらの人生とんでもないことになる。しかし、びっくりしたなぁ。私以上に世間を知らない人がいるなんて。男の人ってもっと世間を知ってると思っていた。
医院の近所のコーヒーショップ。ケータイのアラームで意識が戻る。
「お疲れ様です。」
夕方の受付に挑むべく、休憩室に戻ったら、午前のスタッフさんとマエハシさんがいた。
「お疲れさまです。ツキシロさん、今日は夕方もですよね?近所で休憩されてるんですか?」
「はい。家に帰る時間はちょっとないですし。あそこのコーヒーショップにいます。ブログの原稿書いたりして。ハハハ。」
マチダさんと談笑する横から、
「受付の仕事の勉強もしてね。」
マエハシさん!何だよ、何もわかってないアホみたいに!
腹を立てながら先に受付に下りると、奥さんが。
「あ、お疲れ様です、ツキシロさんも聞いておいていただけますか?このままいくと、受付も手が足りませんので新たに募集をかけました。電話がかかると思いますので・・・」
「はい、わかりました。」
募集かけてるんだ。ということは、私の仕事が減る、収入も。そもそも大した額じゃない。連休があったせいだと思うけど、今月のお給料はやっぱり十万円に届かなかった。週に二日は十二時間勤務、朝六時半には家を出て、夜は十一時半まで帰れない生活なのに。
本当に、早く何とかしなくちゃ。早く仕事を身につけて、正式な雇用に移らなくちゃ。
「ツキシロさん、入力間違いありました!」
しまった!
「す、すみません!」
「入力直して、患者さんにお詫びの電話入れてください。」
この頃、マエハシさんは別の手に出てきた。お約束の三十秒説教と、
「返事して!」
精神的圧力。その後、
「今の、ノートに書いて!」
診察券の返し忘れ、カルテを片付ける場所を間違えた。ハンコの押し忘れ・・・逐一突きまわされた挙句、やっと終わりの時間。受付を引き上げようとしたその時。
「ツキシロさん、今日失敗したこと記録しましたよね?それ、全部読み上げて。」
あまりにも屈辱的で声が震えてくる。
「会計のときは・・・返し忘れがないか・・入力は・・・」
「そうでしたね、それ、帰りのバスでも読み返して!」
なんだよ、チクショウ!
医院の近所のコーヒーショップ。ケータイのアラームで意識が戻る。
「お疲れ様です。」
夕方の受付に挑むべく、休憩室に戻ったら、午前のスタッフさんとマエハシさんがいた。
「お疲れさまです。ツキシロさん、今日は夕方もですよね?近所で休憩されてるんですか?」
「はい。家に帰る時間はちょっとないですし。あそこのコーヒーショップにいます。ブログの原稿書いたりして。ハハハ。」
マチダさんと談笑する横から、
「受付の仕事の勉強もしてね。」
マエハシさん!何だよ、何もわかってないアホみたいに!
腹を立てながら先に受付に下りると、奥さんが。
「あ、お疲れ様です、ツキシロさんも聞いておいていただけますか?このままいくと、受付も手が足りませんので新たに募集をかけました。電話がかかると思いますので・・・」
「はい、わかりました。」
募集かけてるんだ。ということは、私の仕事が減る、収入も。そもそも大した額じゃない。連休があったせいだと思うけど、今月のお給料はやっぱり十万円に届かなかった。週に二日は十二時間勤務、朝六時半には家を出て、夜は十一時半まで帰れない生活なのに。
本当に、早く何とかしなくちゃ。早く仕事を身につけて、正式な雇用に移らなくちゃ。
「ツキシロさん、入力間違いありました!」
しまった!
「す、すみません!」
「入力直して、患者さんにお詫びの電話入れてください。」
この頃、マエハシさんは別の手に出てきた。お約束の三十秒説教と、
「返事して!」
精神的圧力。その後、
「今の、ノートに書いて!」
診察券の返し忘れ、カルテを片付ける場所を間違えた。ハンコの押し忘れ・・・逐一突きまわされた挙句、やっと終わりの時間。受付を引き上げようとしたその時。
「ツキシロさん、今日失敗したこと記録しましたよね?それ、全部読み上げて。」
あまりにも屈辱的で声が震えてくる。
「会計のときは・・・返し忘れがないか・・入力は・・・」
「そうでしたね、それ、帰りのバスでも読み返して!」
なんだよ、チクショウ!