彦根の歴史ブログ(『どんつき瓦版』記者ブログ)

2007年彦根城は築城400年祭を開催し無事に終了しました。
これを機に滋賀県や彦根市周辺を再発見します。

秋口家住宅移築後見学

2016年05月08日 | イベント
彦根市芹町に建てられていた国登録有形文化財の秋口家住宅が、七曲りの元岡町に移築され完成したとのことで現所有者さんの好意で一般公開されました。
七曲りという彦根市でも特に古い町並みと伝統が残った場所に大正期の洋館が加わったことになります。

秋口家住宅は、屋根裏から見つかった棟札では大正5年(1916)5月10日に上棟されたそうなので、奇しくも数日で100年になる建物です(この日を狙って公開した訳ではないそうです、偶然ってすごいですね…)
もともとは、歯科医として開業されていた建物だったそうで、2階建ての1階が住居スペース、2階が診療所という建物になっていたそうです。
表から見ると、2階中央にドアがあるので、昔は玄関の上にバルコニーがあったのではないか?とのことでした。

〇正面からの全景
・移築前

・移築後

・現所有者さんの趣味(研究と言っていいかも)で鍾馗さんが乗っています



〇玄関を入るとすぐに、歯科医時代の名残の小窓が…
・移築前

・移築後

〇裏から見るとこんな感じ
・移築前



・移築後


〇二階に上がる階段(二階から下を見る)
・移築前

・移築後


〇二回外へ通じるドア(開けると危険…)
・移築前

・移築後


〇待合室の受付窓口
・移築前

・移築後

・ここで楽しめるように今はカロムが置いてありました


〇診察室
・移築前

・移築後

・木材などはできるだけ以前の物を使い、最低限の補修を加えたそうです、その時に木目を合わすなどの工夫もされたそうです


〇梯子のようなものを登れば天井裏にも行けるそうです


〇ここは外の景色も趣があります



「100年残った物を、自分が生きているあと50年ほどの人生で伝え、またそのあとも伝えてほしい、そして技術の伝承も願っています」との現所有者さんの言葉でした。
古い物の移築ではありますが、耐震などの安全基準は今の法律が適用されるので耐震補強などはしっかりされているそうです。古い物と新しい物が創意工夫されて、また新たな歴史を伝えてゆくという歴史にとって一番大切な人のバトンを見せていただきました。


・所在地 彦根市元岡町
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