唐戸の第一ホテルの入口前の坂を、唐戸の商店街の方に
向かって下り始めると、向かいに5階建てぐらいのビルが
見えます。このビル、ちょっといいのです。
外壁になにやら模様が見えるでしょう。
あ、ちなみに右の「こいぬ」さんは、ものすごく古くからある喫茶店です。
たぶん竣工当時からの外壁のデザインだと思います。
またこの壁面が北向きなので、色褪(あ)せることが少なかったのでしょう。
以下、デザインの素人としての感想です。
・このビルは70年代前半に建てられたのではないでしょうか。
東京だと67~69年頃が旬のデザインでしたが、地方へは70年代に入って
広まったと思います。
・大きく見るとウォーホルの影響があります。ありますが、細かく言うと、
ちょうど当時の「平凡パンチ」に出入りしていたようなデザイナーが
ウォーホルに影響を受けつつも、日本のマーケットに合わせて、より
商業的にした「デザイン系」のものです。そのデザインが遠く下関までに
流れ着いた結果として、このビルの壁面があるような気がします。
・デザインの世界って、65、66年頃が境目になっていて、それ以降のものは
古くても古くさいものは少なく、今でも通じるデザインが多いと思います。
・この壁面もスマートでクールと言えなくもないですね。ただ、この時代の
ものは、蛍光灯の昼光色のような人工的な寂しさ、侘しさ、チープさを
感じてしまうことがあります。どうしてなんでしょうね。
70年代が目の前にありました。唐戸は面白い町です。色々な発見があります。
by K