贔屓のひきたおし

歌舞伎や他の芝居を見て感じた感想を綴っていきます。
お話の中心はたぶん海老蔵さん。とても好きなので・・・。

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伝える者と伝えられる者

2006-07-24 22:06:41 | 芝居の周辺
7月23日(日)、NHK教育で『鼓童meet玉三郎』という番組を放送していました。
玉三郎さんと太鼓演奏集団、鼓童がともに新たな舞台を作っていく過程を追ったドキュメンタリーです。

物静かに語る玉三郎さんの言葉にいくつかとても印象に残る言葉がありました。
「今まで女形として恵まれた仕事をしてきたけれど、いつかは終止符を打たなければならない。」
「なし崩し的にでも、どんどん伝えていかないと(自分の寿命が)間に合わない。」
老いというもの、死というものをすでに意識されて、残された時間で役者としてどう生きるのか、自分なにができるのかということ考えておられるのだ・・と受け止めました。

7月21日(金)にはNHK総合の朝の情報番組『生活ほっとモーニング』に吉右衛門丈がご出演されていました。
9月の歌舞伎座、秀山祭公演に当たって「初代吉右衛門は、観る者の魂を揺さぶる芝居をしていた。そういう芝居を伝えて行きたい」とおっしゃっていました。
「自分には歌舞伎役者にする跡取りがいないので、秀山祭をせがれだと思って、成人するまで20年間続けたい」とも。
5月の新橋演舞場公演も恒例になるようですし、9月の秀山祭公演と併せて、これで年に二回、播磨屋が次代、次々代の役者を育てていく場が出来たという事です。

以前・・・おそらく4-5年前ですが、、菊五郎丈がやはり「死ぬまでにあとどれだけ、いつもやっているのと違う芝居が出来るだろうと考える」という事をおっしゃっていました。「少しでも歌舞伎の財産(演目や演出)を増やして倅の代に残してやりたい」と。
最近すっかり恒例になったお正月の国立劇場での音羽屋の復活狂言も、
【児雷也】や【十二夜】も、みなそういった菊五郎丈の気持ちの表れなのではないでしょうか。

吉右衛門丈も菊五郎丈も玉三郎丈も、まだ50代60代。
役者としてはこれからが充実期ともいえるこの時期に、もう『伝えていく事』を真剣にお考えになっているのだと思うと、目頭が熱くなります。
同世代の松助丈が亡くなられた事、團十郎丈が大病を患ったことも無縁ではないでしょう。

伝える者と伝えられる者。
芸や伝統の伝承には、必ずその双方が必要です。
伝えられる者を見つけられずに、
衰退・消滅していった芸能や職人芸がどれだけあることか。
伝えられた者はそれを消化し、さらに自分の芸として昇華させていかなければなりません。そうでなければ伝統は残らない。次代に伝える事ができません。

吉右衛門丈世代の役者さんたちが、「伝える事」を真剣に考え出したという事は、
同時に若い世代の役者さんたちにも、伝えられたものを受け取れるだけの器を持つ事が要求されているということです。一層の覚悟と精進を望みます。
歌舞伎が50年後も百年後も私たちの宝であるように・・・・。

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3 コメント

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はじめまして (菊屋)
2006-07-25 19:44:39
海老蔵さんのロンドン・アムステルダム公演の頃にこのページに巡り会えまして、たびたびお邪魔しております。

昨日はこちらでお知らせ頂いた、映画「出口のない海」の試写会入場券を手にできました。

情報量の多さ、的確さに感謝いたします。



今後も成田屋さん初め、歌舞伎の情報楽しみにしております。
追記 (菊屋)
2006-07-25 20:50:26
本日、舞台写真入筋書き(7月歌舞伎座)をチケット売り場から購入してまいりました。写真満載って感じでしたよ。でも海老蔵さんのはもの足りませんが・・。
試写会&筋書 (hikitaoshi)
2006-07-26 22:04:36
菊屋さま



はじめまして。



コメントどうもありがとうございます。

試写会当たったんですね。

おめでとうございます!!

そういうお話を伺うと、本当にとてもうれしいです。



また、筋書に写真が入ったとの情報もありがとうございました。



どうぞこれからもお気軽に遊びにいらして下さいね。

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