古墳の丘を通った後、公園内の池を渡って中央エリアの駐車場に向かって歩いていく。遊歩道の両側には、倉塚古墳の姿が見える。
そして、その反対側には一本松古墳がある。
両古墳については、こちら→「馬見丘陵の古墳➃ ~一本松古墳・倉塚古墳~」
古墳の間を抜けながら、梅林の方へ歩いていくと、途中、右手に覆屋が見える。近づいて中を覗いてみると横穴式石室の下部の石組みと家形石棺が2つ置かれている。
北今市1号墳を含む北今市古墳群については、馬見丘陵の西側、現在の香芝市北今市にあった古墳群で、中和幹線道路を建設する際に見つかった古墳群である。古墳時代の後期の古墳が3基発掘され、そのうちの1号墳と2号墳がこの馬見丘陵公園内に移築保存されている。ちなみに古墳はすでに消滅している。
1号墳は、直径20mの円墳で、横穴式石室を持ち、石室の中には、凝灰岩で造られた組合形の家形石棺が2つ見つかっている。手前の方の石棺は、蓋石の一部が破壊されているが、奥の方はほぼ完全な姿で残っていた。
副葬品としては、玉類、金銅製単鳳環頭、馬具などが見つかっている。
この北今市1号墳の石棺等がある覆屋の周りは、紅梅が7分咲きぐらい。カメラを持った人たちががいっぱい集まっていて写真を紅梅にレンズを向けて撮っていた。何でそんなに集まって撮っているのかなと思って観察してみると、どうやら梅の枝にメジロか鶯か黄緑色の小鳥を追って写真を撮っていたみたい。
「梅に鶯」といったところか。マネして何枚かチャレンジをするも、1枚も採れずじまいだった。動きのあるものは難しいなあ。
梅林を通って、中央エリアと南エリアにかかる墳観橋の下にある北今市2号墳の石棺を見に行く。
北今市2号墳の石棺。これも1号墳と同様に組合式の家形石棺である。ただ、1号墳と比較すると蓋石が平べったい気がするので、こっちの方が新しいような感じである。
北今市2号墳は、一辺15mほどの方墳で、石棺が2つ直葬されていたとのこと。一つは粉々に砕かれていて、もう一つがほぼ完全な形で見つかっており、それがこの場所で移築保存されている。
石棺からは、熟年男性と子どもの二人分の人骨と副葬品として、鉄刀一つと滑石の小玉が見つかっている。
解説板によると、やっぱり1号墳は6世紀の後半の築造、2号墳は7世紀前半だった。
墳観橋から、倉塚古墳の方向を見る。
名前の通り古墳が、よく見えるよ。いよいよ南エリアに入ります。