ダークフォース続き(仮)新規です

ダークフォースDFと続きに仮セカンド。
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番外編 「ファンタジスタ エリスさん。」 2016.6.27

2016年06月27日 15時10分01秒 | -ためぞう の ぼうけん。『番外編。』-
   番外編「ファンタジスタ エリスさん。」


 第二話の途中辺りから、

 めっきり出番をジラさんに取られてしまった、

 乙女な姿のエリスねーさん。


 ねーさんと呼ぶには、

 あまりにも愛くるしい容姿で、

 萌える草原のような、光流れる長い髪に、

 アラバスターの頬に咲く桜色の頬紅。


 湧き出す泉のように、澄んだその瞳を持つ、

 端正な顔立ちのその美少女は、


 ねーさん時の胸の豊満さは失っていますが、

 それを補って余りあり過ぎる、

 可憐さを周囲に漂わせています。


エリスさん「まな板で悪かったなッ!!!」


 と、魂のシャウトをするエリスさんは、

 ファンタジーな感じの香る、

 お花畑に立っていました。


リンカさん「貧乳は、選ばれし者のステータスですよッ!!」


 と、白いスク水姿のリンカさんが突然現れ、

 そのメッセージを熱く残して、森の方へと去っていきます。


エリスさん「おおぅ!?

      なんで、リンカちゃんが!?

      と言いたいとこだが、

      私の事、全然気付いてなかったっぽいな・・・。


      んんっ、とにかく言葉使いには気を付けよう。


      今の私は、「ねーさん」では無くなってしまったのだな、

      はぁ~~~っ。」


 っと、深いため息を付きながら、

 なんとなく、今の姿にあった会話を心がけようと思う、

 エリスさんです。


 ここは、何処? 私はだれ?


 と、言いたくなったエリスさんに、

 残酷な現実を突きつけるような、

 立て看板が、道なりに立っています。


 『ここは、ファーム。

  貴女は、エリスさん。
  

  うかうか浮かれて、

  色恋沙汰なんて止めて下さいね。
  

  先を越されるのは、不愉快ですし、

  具体的に言うと、元の世界に戻れなくなりますョ。

  
    - きゅんきゅん LOVE ME エリナより。- 』


 エリスさんは、純白のドレスを可愛く揺らしながら、

 速攻で、立て看板を引き抜くと、


エリスさん「ホォァタァァァァアア!!!」


 ぽこぽこ叩いて、

 木っ端微塵の木片へと変え、

 土へと還してあげました。


エリスさん「ぜぇぜぇ・・・。な、何なんですの。


      ・・・こんなワナ的なフラグを、

      他人に見せるわけにはいきませんっ!!」


 証拠を隠滅したエリスさんは、

 あの青い空を見上げて思います。


 穏やかに晴れわたる空は、甘酸っぱい青春をするには、

 いい日和です。


エリスさん(・・・『ファーム』って、なんだろ。


      野球的な二軍ってこと?


      まあ、私はお気に入りの選手は、

      ファームから応援しに行ってるからなぁ。


      最近は、近代的なカッコいいファームもあって、

      応援楽しいんだよな。


      そういう未来のスター選手に、

      ツバを付けるなという、警告的な意味だろうか?


      エリナ先生って、恋愛したい120%モードなのに、

      THE・BIGさん(前世の旦那)にストーカーされて、

      災難なんだよな。


      そこは、同情せんでもないが、

      私の実力では、どーにもならんギャラクシー的なパワーを誇る、

      ザ・ビックさんが相手じゃ、

      エリナ先生に加担した時点で、


      「ためぞうの冒険」は終わる・・・。)


 長いものには巻かれて生きようと、

 レディース時代の、

 あの雄雄しき気概を失ってしまった、エリスさんです。


 エリスさんは、きっと出口のない、

 このほんわか世界を、道標の示すまま、

 道なりに歩いていきます。


エリスさん(・・・なんか、待機中のまま出番のない、

      A氏、B氏やら、いろいろすれ違っている気がした。

      ここは、やっぱ一軍に上がる為の試練場なんだな。


      冒険の扉とか、

      初心者から、中級、スーパーハードモードまで、

      完備されてるぞ。


      扉は、洞穴に木の扉ってのが、

 
      胡散臭いけどなぁ。)


 しばらく歩いていると、

 通り道に、縁日の出店のような露店を一軒見付けました。


 近付くと、そこには一匹のたぬきの店員が、

 わたあめと、リンゴ飴を売っています。


たぬきさん「いらっしゃ・・・おおぅ!?


      なんで、こんな場所に、

      ナイスで素敵でエレガントなお姫様がいるのッ!!」


 ・・・その口調から、エリスさんには、

 たぬきの正体の想像が付きました。


 たぬきは、突然の出会いにヒャッホウしながら、

 チャンスだ、落ち着けと、

 深く息を吸って深呼吸をしています。


たぬきさん「おめでとうございます!


      来店一万人目の貴女には、

      このたぬき特製のわたあめとリンゴ飴を、

      豪華一年分、毎日お届けいたします!!」


 出会い一年間を押し付けてくる、たぬぞうさんです。


エリスさん「お、お気持ちだけで。」


 エリスさんは、この時、

 このたるんだ「たぬぞう」さんに、

 気合を注入するか、

 スルーして、わたあめを買って帰るかで、

 ちょっと迷っています。


エリスさん(スルーは無しだ。

      番外地でしか、ためぞうと会えないなんて、

      おねーさん、悲しすぎるぞ。


      いっちょ、気合を入れてやるかね。)


 可憐なお姫様なエリスさんは、

 たぬきさんを手招きして、店から誘い出します。


たぬきさん(どきどき・・・。)


エリスさん「おいコラ! ためぞー!!


      気合入れてやんぞーッ!!!」



   パチィーーーン!!!



 エリスさんは、たぬぞうさんの頬を激しく平手打ちです!

 ですが、その手は細くしなやかで、

 いい音のわりに、ダメージ0のほんわか感触です。


 たぬぞうさんは、もっとと、

 反対側の頬を差し出しますが、

 何か違うプレイに変化しそうなので、


 エリスさんは、たぬぞうさんの頭の上の、

 見えない葉っぱを取り上げました。



   どろ~ん。



 たぬきさんは、弟分のためぞうに戻りました。


 ただ、戻っただけなので、

 たぬきサイズのちっさい布切れが、

 大事な部分を隠しているだけです。


エリスさん「ブーーーーッ!!

      早く何か着ろよっ!」


 ためぞうは、露店の中から、メロンのプリントのシャツと、

 ジーンズに着替えて、テレながら戻って来ました。


エリスさん「てか、普通はたぬきさんが、葉っぱを乗せて、

      人に変化すんじゃねーの?


      葉っぱ乗せて、たぬきさんになるって、どうよ?」


ためぞう「・・・そういう仕様なんで、すんません。」


 素直に謝られると、対応に困るエリスさんです。

 押しは強いですが、押されると弱いのです。


エリスさん「世の中には色々ある!

      そして、ここは何でもありの番外地だ。


      現実に目を背けず、よく私を見ろっ!!」


 ためぞうは、ツンデレっぽい美少女に、

 なんだか、もじもじしています。


エリス「だから、私はためぞうの姐さんの、

    エリスだよ!


    見た目が、まあ声も全然違うが、

    とにかく現実を受け入れて、

    気合を見せろ!


    さっさと、本編で会おうや・・・。」


 何だか熱く語る可憐なお姫様姿のエリスさんに、

 ためぞうとしては、何だか勇気が持ててきました。


 何と言っても、エリスさんとためぞうは、

 血の繋がった姉弟ではなく、アネキと弟分の関係です。


 この愛らしいエリスさんでも、いいーーんですっ!

 きっと、トゥルーエンドの幸せゴールインなんです!!


ためぞう「と、いう事で、

     よろしくお願いします、

     ねーさんじゃない方のエリスさんっ!」


エリスさん「お前、サフィリアさんと、レミーアさんは、

      どーすんだよ。


      言っちゃうよ。

      世界のあちこちで、シャウトしまくっちゃうよ。」


ためぞう「うぉぉ・・・。


     どうすればいい、考えるんだオレ!


     そう、今こそとんちを使う時だ。」


 すると、その場にマッハで現れた、

 アメジストの髪の貴公子、レオクスさんが、

 ためぞうの前に現れ、こう耳打ちます。


レオクスさん「ためぞう君!

       目移りはダメだよ、悲しいよ。


       エリスさんは、

       私とセバリオスさんの甘酸っぱい青春なんだよ。


       ちなみにサフィリアさんは、ためぞう君も含む、

       争奪戦の対象です。


       最近、エリナ先生の素晴らしさにも、

       ようやく気付き始めましたが、

       父がご迷惑をおかけしている最中なので、

       私は自重しようかと思っています。


       わかるかい、ためぞう君!


       私たちは、強い絆で結ばれた仲間なんだよ。

       抜け駆けは、ダメなんだからネ。」


 と、久しぶりに熱く語った充足感に浸る、レオクスさん。


 振り返ったレオクスさんは、あの時のエリスさんの姿に、

 感涙しています。


レオクスさん「セバリオスさんしか知らないキラメキを、

       私は今、この瞳で見つめているんだね・・・。


       ああ、今ようやく分かったよ、

       セバリオスさん。


       (これが、未来の私かセバリオスさんの娘さんの姿なんだね。)」


 何だか、ハンカチで涙を拭ってるレオクスさんに、

 エリスさんも、照れています。


 そんな風に見られているのを、知らずにいれば、

 幸せな事でしょう。


 憧れのレオクス王子様に、ちょっぴり浮かれてしまう、

 エリスさんです。


エリスさん「さすが、レオクスさんですね。


      私の事をわかってくれるんですね!」


レオクスさん「もちろんですとも!


       いやー、いい想い出も出来たので、

       一旦、本編に戻っておきますね。」


 帰る時は、光の速さのレオクスさんです。

 いいメモリーをゲットして、

 ためぞうと、エリスさんを残して、

 番外地を去って行きました。


エリスさん「ハァ・・・いつになったら、

      戻してくれるんだろうな、エリナ先生。


      もうすぐ夏だぞ。

      デパート行って、田中さんに水着選んでもらわないと

      いけないのに、


      トレンドから置いて行かれるなぁ~。


      有給は、一年分くらい溜まってたから、

      しばらくは大丈夫なんだが、

      余裕ぶっこいてる場合じゃないぞ。


      エリナ先生に、なんだかポジション持っていかれそうだゾ!!」


ためぞう「・・・オレも早く復帰したいんだが、

     当分、無理っぽいな。」


エリスさん「気合だよ、気合ッ!!

      ためぞうにも、あんだろ、


      熱い魂(ソウル)を届けたいって気持ちが。」


 何とも愛くるしい美少女姿のエリスさんに諭されても、

 うんうん、とほがらかに微笑んでしまう、

 ためぞうでした。


エリスさん「ほら、行くぞためぞー!

      もう冒険の資金は露店でしっかり稼いでるんだろ。


      早く帰ろうぜ、私たちのあの家になぁ。」


ためぞう「付いていくよ、ねーさん。」



        エリスさんの放浪記は、まだまだ続きそうです。

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