むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

ナンキンナンカマド:南京七竈(ややこしいナンキンの名)

2014-04-21 12:38:39 | 植物観察過去ログについて

西宮山口町の丸山(378m)の頂上近くの木に、紅茶色の葉がのびだして、蕾がついていました。
ナナカマドのらしいその木を見て、詳しい人が即座にナンキンナンカマド:南京七竈(バラ科ナナカマド属)だといいました。
関東地方以西、四国、九州の山地に分布する落葉低木で、高さは2~3m、幹は細くひょろひょろした樹形です。
互生する葉は長さ7~16cmの奇数羽状複葉で小葉は3~4対、長さ2~5.5㎝の長楕円形で、上半分に鈍い鋸歯があり、裏面は粉白色を呈します。花は5月ごろ、黄白色で直径約1㎝ほどで多数つきます。
ナンキンナナカマドと判定した決め手は花序の下につく扇形の托葉の存在でした。この托葉は果期にも残ります。
ナンキン(南京)と名がつくからには、中国原産かと思いきや、ナンキンは小形のものに冠する語だということでした。念のために広辞苑で当たって見ると、南京は①中国江蘇省の首都、②中国または東南アジアから渡来したものに冠する語、③カボチャの異称とあって、④に、珍奇なものや小さく愛らしいものに冠する語とありました。わざわざ紛らしい語をつけなくてもいくらでも類語があるのに思ったりしていました。