むかごの日記Ⅱ

70歳を過ぎてにわかに植物観察に関心を持ち、カメラを提げて、山野を歩いています。新・むかごの日記より引っ越しました。

メグスリノキ:目薬の木(歴史を動かした?)

2014-04-19 13:49:07 | 植物観察記録

人気の大河ドラマ“軍師官兵衛”の祖父黒田重隆が、黒田家の本願である北近江に伝わっていた目に効く薬を、移住した播磨で、各地に神符を配って回る御師と呼ばれる集団に売りさばかせることで、黒田家隆盛の財政基盤を築いたといわれています。
その目薬について、司馬遼太郎が“播磨灘“に、「葉に山に毛の生えているカエデ科の木がある。北近江では目ぐすりの木というのだが、その樹皮をとってきて砕き、それを赤い絹の袋につつんで煎じ、その袋ごと目にあてて煎じ汁を滴らせる。樹皮の煎じ汁が効くのか、それとも赤い袋には殺菌効果があってそれがために効くのかよくわからない。」と書いています。
そのメグスリノキ:目薬の木(カエデ科カエデ属)今万博公園の空中回廊”ソラード“のすぐそばで
芽生え始めています。
メグスリノキは、日本のカエデ属の中では珍しく複葉で、3枚の小葉からなります。この変わった名前は、樹皮を煎じて洗眼薬として用いられたことからきたれっきとした標準和名です。
3枚セットになった葉とピンク色に紅葉する独特の色合いで秋の季節なら見分けやすい木といえるでしょう。(‘05年12月5日記事参照)
チョウジャノキという別名もあります。もしかしたらこれで大儲した氏黒田家のことをいうのかもしれませんが、図鑑ではその由来は不詳とありました。

 
1週間後、同じ場所のメグスリノキの新芽はぐんと伸びていました。