ボタンは普通5月頃に咲くものですが、冬に咲くボタンは寒牡丹または冬牡丹といわれ、寒さよけの三角のワラズド(藁苞?)の中にひっそりと咲く姿が、華麗な春咲きのボタンに劣らず愛好されます。
本来の寒牡丹は2季性のものを特別な栽培法で初冬の頃に開花させるもので、基本的には然に時期が来れば花が開く性質をもち、花は咲いても茎は短く葉もほとんど伸びないのが特徴で、石光寺の寒牡丹は全てこのタイプですが、観光地などでよく見られるものは、通常のボタンを冷蔵庫や温室を使って人工的に季節の変化を作り、ボタンに春と錯覚させて開花させるもので、茎の長さや葉のしげり方は普通のボタンと同じになります。
石光寺を訪れた日の朝、珍しく当麻の里に雪が降りました。ところが寺へ着いた頃には融けてしまって、雪を被った藁覆いと寒牡丹という絶好の撮影チャンスを逃したのは返す返す残念でした。
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