



(やっぱりこのまま行くなんて無理だよ!)
敵が合コンに来るはずがないと思っていたから
「……殺したの?」
「死んでも言わない」
(なんだろう、胸の中がざわざわする)
「そんな小鹿ちゃんみたいな女子じゃないんで」
うっかり、嬉しいとか……感じてしまう。
(油断できないな……)
(そんなに嫌なら、逃げちゃえばいいのに)
(今の私は、本当におかしい)
(でもこの人も陸の人なんだよね)
(この笑顔が、ずっと変わらないといいのに)
「本当だとしたら……どうして、今じゃないの?」
「い、イチャついてないよ!?」
「……今は力を借りるね」


「私たちに幸せになる権利がないとも思わない」
蝶が、無性に羨ましくなった。
至央の言葉が頭を過った。



(……やっぱり間違ってるよね)
蝶が、哀れになった。


至央の言葉が頭を過った。



(でも今動いたら、任史さんの覚悟を無駄にしてしまう)
