近況中況遠況

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中国の寝台バス

2021-11-03 10:59:49 | 旅行

25年程前のことである。

旅行で中国の内モンゴル自治区の包頭にいた。
西方に行こうと思ったが列車のチケットが取れない。駅の窓口で訊いてもお馴染みの「没有(無い)」の一点張りでどうしようもない。
ホテルで調べてもらっても一週間後以降でないと予約できないと言われ、本当にチケットはないようだ。
一週間滞在を延長するほど見所のある街ではない。
どうしたものかと途方に暮れて町を歩いていたら北京行きのバスがあるのを見つけた。しかも寝台バスだという。
引き返すことになるが寝台バスという物に興味が湧いたので翌日の分を予約した。
時刻表では夕方5時出発、翌朝10時到着となっている。

料金は92元で円換算すると1000円ちょっとである(当時は円が最も高かった頃である)。
100元札を出すと後2元ないかと言う。おつりが10元と切りが良くなるからである。
私も現金支払いではこのやり方を好んでいるのでそうしたかったが生憎と小銭がなく8元のお釣りを貰うことになった。

寝台バスは普通のバスの座席を取り払い、鉄パイプで枠組みを作り寝台を置いただけのもので手作り感満載である。いくら中国とは言え安全基準の審査には通らないような代物であった。
寝台といっても平らなものではなく頭、背中、お尻、脚のラインに合わせて作った凹凸のある樹脂製のもので寝てる分には快適であるが起きている時は背もたれがないので座りが悪く、樹脂製であるので滑りやすく起き上がるのにも一苦労であった。

運転手は2人いるが交代要員ではなく一緒にいて喋ったり、眠気覚ましのためか大音量で音楽を流したりで客への配慮など全くない連中であった。トイレや食事の時間も運転手の都合優先でそれに従うしかない。
夜が明けたがどの辺を走っているのか全く見当がつかない。到着予定の10時になってもまだ田園地帯である。
正午前にやっと八達嶺で、北京市に入っても渋滞がひどく北京駅に着いたのは4時過ぎで殆ど1日がかりの行程であった。
行き当たりばったりの旅とはいえ心の折れる出来事であった。


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