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肥宝館 -貧すれば丼する-

【秋田 川反】 そば処 たちそば「たぬき入り中華そば(680円)」

秋田の繁華街・川反で「たぬき入り中華そば」を

JR秋田駅西口から中央通りを西へ徒歩15分。旭川を越えた先が、秋田随一の繁華街「川反(かわばた)」である。江戸時代は「川端」と書かれていたが、城のある武家町から見て、町人町との境目である旭川の反対側ということで「川反」になったという。大正〜昭和期は芸妓が闊歩する花街だったそうだが、料亭の廃業でその数も減少。

今は古い建築から名残を感じる程度で、居酒屋、スナック、パブ、特殊浴場、風俗案内所が立ち並ぶ雑多なエリアとなっている。秋田名物と言えばきりたんぽ、比内地鶏、ハタハタ、しょっつる鍋、いぶりがっこ。冬はダダミ(鱈の白子)の天ぷらなんてのも良い。新政、山本、高清水に雪の茅舎。雪降る中、良い酒で旨いものを頂く。

繁華街は旭川沿いの南北300メートル程度だろうか。今夜は、その繁華街の南端「五丁目橋」の麓で半世紀にわたり営業する「そば処 たちそば」でシメることに。うどん、そばに加え、天ぷらやカツ皿、刺身、丼モノ、カレーにラーメンまで提供していて、椅子に座ってゆっくり呑むことも可能だ。高清水を中心に地酒も揃っている。

営業時間が翌昼3時までとあって、深夜でも呑み直しの酔客で賑わう店内。メニューに目をやると『月夜(玉子)の晩に狸(揚げ玉)と狐(油揚げ)の化かし合い』と書かれた「おばけそば」というのが名物の模様。稲庭うどんのザルも旨そうだ。深夜のカツ丼も良い。だが、珍しさが勝って「たぬき入り中華そば」を注文することに。

これは名前の通り、揚げ玉の乗ったラーメンだ。スープはうどん・そばと共通のようで、鰹節や昆布など魚介の香る和風出汁に、かなり甘めのカエシがきいている。脂っ気も無く、もはやほぼ蕎麦つゆなのだが、スープを吸ってふやけた揚げ玉から油が染み出て、時間が経つにつれラーメンらしくなってきた。

ほかトッピングはギザギザに飾り切りされた茹で卵、海苔、ナルト、ワカメ、メンマ、ネギ。柔らかに茹で上げられたツルツルの中細麺を啜っていく。ラーメンという点では、もう一声という感じだが、アッサリでなかなかいける。秋田では「たぬきラーメン」が結構定番だそうで、ラーメン専門店ではなく、こんなシメも悪くない。

<店舗データ>

【店名】 そば処 たちそば
【住所】 秋田県秋田市南通亀の町1-3
【最寄】 JR奥羽本線「秋田駅」徒歩20分

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