Highway's

日々を生きる、その時々にある何か。

ペンクリニック

2008-09-16 09:00:00 | FountainPen
 
 
 
 セーラー万年筆ペンクリニックへ行きました。これで3回目かな。

 10時開始だったので、まだ開いていない店の前に並びました。
開いていないというか、店員さんが掃除してる最中で、並ぶと言っても自分ひとりでしたけど。
時間つぶしに、最近話題のプロレタリア文学を読んでいると二番目の客がついに!!
と思って振り返ると、なんとタバコを吸いに出てこられた川口先生でした。
喫煙中はずっと会話してました。
どうやら、1年先まで予定は埋まってるらしいです。
で、急な依頼をされると平日開催になっちゃうそうです。
(言われてみれば我がうさぎやはちゃんと土日開催です)
それと、1年間に5000人(1万本超)は調整されているらしい。
つい先日は2日間で250人近く見られたのだとか(山口だそうです)。
で、5分前になると、「じゃもうちょっと待ってくださいね~」と言われて中へ。
せっかくの仕事前の一服に邪魔してスイマセン…。
んで、結局自分がその日の患者第1号で調整してもらえました。

 調整してもらったのは、愛用のM420と、最近手に入れたアルスターオーシャンブルー!
オーシャンブルーは国内での正規販売は伊東屋だけのようです。
が、僕は並行輸入を分度器.comで手に入れました(つまり正規保証対象外)。
並行輸入モデルなのか、入っていた箱も普通のアルスターのものとは違いました。
ちなみに正規品とは違い、取り扱い説明書も入っていませんでした。

 実は手にするまで勘違いしていたことがありました。
それはカートリッジで、ヨーロッパ規格ではなくラミー独自規格なので、手持ちのペリカンやエルバンのカートリッジが使えない!!
幸い、コンバーターも同時購入していたのと、カートリッジが1本入っていたので最悪の事態は免れましたが。
でも、良く出来てるなぁと思ったのがこのコンバーター。
コンバーター側に突起があって、本体の切り込みが入ってる部分にカチっと嵌るようになってます。
コンバーターってペリジュニを使ってて思ったんですが、今にもハズレそうなほど不安定なんですよね。
それが、ラミーの場合はカチッと嵌る。なんて素晴らしい造りなんだろう。
さすがジャーマン(ペリカンもそうだけど。。)!と思いました。

 で、僕が購入したのはEFニブ。
M420がFニブですが、川口先生の調整のおかげでフロー絶好調のため少し文字太め。
メモ帳や手帳(普段は使わないけど)用に少し細いのが欲しかったので。
ですが、最近お世話になってるブログで聞いてみると、アルスターはなんとEFでも太いそうです。
まぁ、EF以下はないのでEFにしました。

 肝心の太さは画像をご覧下さい。驚くかもしれません。

これは川口先生による調整後の状態ですが、MニブもEFニブもそう変わりません…ハハハ…。
ついでに、FニブのM420ともあまり差が感じられません。ま、まあいいや。。

 ってことで、M420には愛用の「木陰のどんぐりブラウン」を入れているので、アルスターにはコンバーターを使ってジュール・ヴェルヌを。
オーシャンブルーの万年筆でジュール・ヴェルヌ。最高。
十五少年漂流記や海底二万里を想像させる深い青はジュール・ヴェルヌの色と言っても過言ではない。
まさにジュール・ヴェルヌのインクのために誂えられた万年筆なのです。



 さて、ようやく本題です。
ペンクリですが、M420は前回から1年ほどブランクがありました。
その間ずっと使っているせいか変化は感じられませんでした。
ですが、川口先生曰く「ちょっと開いてるねー」でした。
調整後は…おぉ…全然違う…。
そしてアルスターのほうは…
Mニブ … 「んー」だけで、これが一番長く調整して下さいました。
EFニブ … 「これもちょっとね」で、こちらはM420よりちょい長い程度。
Mニブのほうは購入当初から何か違和感があったのですが、かなり良くなりました。
かなり丁寧に磨いて下さり、調整前とはペンポイントの形状もだいぶ変わりました。
EFニブのほうはこのままでも結構イケるかな?と思っていただけに少しショックでしたけど。
まぁでも川口先生の調整となると、お墨付きを得たようなもので、それだけで愛用に値する逸品に変化します。
そして自分と先生以外には誰にも触らせない。
ドイツには、嫁と万年筆と何とかは他人に貸すなという諺があるとかないとか。

 そして…これからはすごく嬉しかったこと。
なんと、M420調整中の川口先生が「これと同じやつで50年前に作られたやつを使ってみる?」と仰いました。
で、後ろにあったペンケースから取り出されたのは…400の茶縞tortoise-shellトータスシェル!!
ちょっと手が震えましたが、使っていいよということで、喜んで試し書き…
「お、おぉ・・・・・!!」ペン先を紙に置いた瞬間に鳥肌が立ちました。
ペン先が柔らかいって、こういうことを言うんですね…
字を書くということにこれほど快感を覚えたことは初めてでした。
ペン先がグラついてんのか?と思うぐらい柔らかかった…。
驚いてる僕に、先生はM420と比べてペン先の形状の違いなどを細かく教えて下さいました。
「やはり、50年前は何と言ってもハンドメイドだからね」、と仰ってました。
先生はアメリカで手に入れられたそうです。
何でも、この個体はFニブでアメリカ人には不人気なのとペン先の状態が良くなかったので安かったのだとか。
先生は「自分で調整したら使えるから」購入されたそうです。
すげー…先生みたいになりたい。。
で、忘れられなかったのでお客さんが途切れるまで待って、もう一度使わせてもらって帰りました。

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