面白いおしゃべりの秘訣

2015-04-19 12:21:28 | 日記
こんにちにゃ。

先日に引き続き、またまたS社長のご好意により
観劇のご相伴に預かり
野田秀樹作・演出「エッグ」を観に行って来ました。

出演者は、妻夫木聡、深津絵里、仲村トオルなど豪華な顔ぶれで
お客さんも、3階席(客席数:1,200超)まで大入り満員!

前回の観客が、9割9分女性ばかりだったのに対し
さすがに今回は、老若男女それ以外、幅広い客層で
演劇文化を支える層の厚さを感じました。

演劇マニアのS社長は
今回も「この演目を観るのは3回目」という
衝撃的な偏執ぶりをサラリと暴露した上で

「1回目で観た東京公演では、観客も業界関係者が多いせいか
 客席の温度感は割と冷静な感じだったけど、
 2回目の地方公演では、演劇好きの一般の人たちが主で 
 この公演を純粋に心待ちにしていた期待感にあふれていた。
 その空気感のせいもあってか、役者さん達は
 東京の時よりずっとノビノビと良い演技をしていた。
 今回の舞台も、期待されたし。」

と、さすがリピーターならではの解説をしてくれました。

役者さんの実力を計るモノサシを持っていない
演劇ド素人の七吉どんにとっては
今回の北九州公演が、いかほどの好演だったのか
観終わった後も、結局よく分かりませんでしたが・・・。(^_^;)




観劇終了後は、小洒落たレストランになだれこみ
いつものようにガールズトーク炸裂飲み会。

先ほどのステージのホットな感想や
ここ数ヶ月のお互いの近況報告から
経済・教育・文化といった、でっかい分野まで広がり
話は尽きることなく
終電ギリギリまでしゃべり倒しました。




かろうじて間に合った終電の新幹線に乗り込み
おしゃべりと酔いの興奮さめやらぬ頭で
ついさっきまで過ごしていた楽しい時間を反芻しつつ

「なぜS社長とのおしゃべりはこんなにも盛り上がるだろう?」
とぼんやりと考えていたところ

ふと「抽象化」というキーワードがひらめきました。

「具象化」の反対、「抽象化」です。




例えば、「演劇」というキーワードを例に取ると
「演技」「台詞」「衣装」「舞台装置」という風に
細分化していくことができます。

演劇マニアのS社長であれば、それらの一つ一つについて
いくらでもウンチクを語ることはできるのでしょうが
ど素人の相手に対し、そんな野暮なことをしても仕方が無い。

そこで、逆に上の概念にのぼって

・「演劇」とは、「芸術」というジャンルの1つである。
(「芸術」には他にも文学・音楽・美術・などたくさんある)

・「芸術」とは、「感動」を喚起する活動の1つである。
(「感動」を喚起する活動は、他にも
 スポーツ・自然や子供との触れあい・恋愛・などたくさんある)

・「感動」とは、「人間」の心の動きの1つである。
(「人間」の心の動きは、喜び・悲しみといった基本的感情から
 閉塞感・倦怠感みたいなモヤモヤしたものまで、たくさんある)

というように、大きな次元まで広げていくと
「演劇は、その広い位置づけの中での一つでしかない」
と捉えることができます。

「演技」「台詞」「衣装」「舞台装置」といった
具象化されたテーマについておしゃべりしようにも
演劇を見慣れていない七吉どんには
的外れな意見しか口にできませんが

抽象化していくほど
自分が持っている知識や経験との共通項が出てくるので
テーマをうまく繋ぎ合わせながら
自分なりの意見を出すことができます。

S社長のように「抽象化」の能力が高い人とおしゃべりしてると
自分も「会話の引き出しがたくさんある面白い人」になったようで
非常に愉快、愉快!(^O^)




そう考えると逆に、サラリーマンの赤提灯なんかだと
「○○部長からこんなにひどいことを言われた。」
「俺なんか、△△専務からこんな仕打ちを受けた。」
と、各人が具体的なエピソードをたくさん持っているものだから
そういったネタに終始しがちです。

個人的経験・個人的意見を、互いに交換することで
いろんなことが分かったような気分になって
「だからウチの会社はダメなんだ。」
という安易な結論にならざるをえないのかもしれません。

今後もし自分が、したくもない愚痴話に巻き込まれたときには
「抽象化」を意識したレスポンスを返して、話をまぜっかえすよう
意識してみようと思いますだよ。
コメント    この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« ケの和食の素晴らしさ | トップ | 晩ごはんの引力 »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿