晴徨雨読

晴れた日は自転車で彷徨い、雨の日は本を読む。こんな旅をしたときに始めたブログです。

上林の両墓制(11) 両墓制と他界観-3 8/7

2014-08-07 | 歴史・民俗

2014.8.7(木)曇り、雨

 両墓制の現実の調査が活発になって、両墓制について初めての本格的な研究書が発行された。昭和31年に刊行された最上孝敬氏の「詣り墓」である。研究史としての両墓制を考えるなら、本書「両墓制と他界観」を読む前にこの本を読むべきだと思った。なぜ「両墓制と他界観」を先に読んだかといえば、「日本民俗」214号で日本民俗学会がこの論文を以て両墓制には決着がついていると判断しているからである。決着がついているという論文をまず読んでみたいというのは当然の事で、それで納得がいくのならそれでいいし、そうでなければ「詣り墓」も読む必要が出てくる。
 新谷氏は大間知氏や最上氏の作業の結果できてきた両墓制の通説ともいわれるべきものについて次のように書いておられる。

 埋葬地は死穢の場所であり、それを忌避して別に霊魂祭祀ののための清浄な場所を設けたのが両墓制である。そこには強い死穢忌避の観念とともに霊肉別留の観念がうかがえる、これは日本古来の固有信仰にもとづくものであり、祭地には古くは石塔はなかったが、中世末から近世にかけて石塔が建立されるようになり、現行の両墓制になった。

 
 
死穢忌避と霊魂祭祀という考え方は誰もが納得のいくもので、わたしも当初、両墓制について現実を見るだけの時はこの考えをもっていた。それはそれでいいことなのだが、この説は必要条件であっても、必要充分条件ではなかった。
 例えば両墓制の分布であるが、非常に偏った分布となっており、近畿地方に多く、東北地方や九州地方には殆ど見られない状況となっている。死穢忌避、霊魂別留の観念が日本古来の固有信仰にもとづくものならば、日本国中に分布してしかるべきと考えられる。つづく
P1030530



念道には家毎の墓がある。磯貝氏も梅原氏も両墓制と言っているが、埋墓については一般的なことばかりで具体的な場所を示していない。


【今日のじょん】先日ユーカリ、ハギ、ツゲを剪定した。剪定前の写真が在ったのでビフォアアフターを紹介しょう。おとーは大変気にいってるのだが、、、。P1030502
P1030529 7月29日と今朝の写真。 

 

 

 

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