髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

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「魔鐘」 レビュー (ファミコン)

2018-08-17 21:00:49 | ファミコンレビュー
クォータービューのアクションRPG
レナ―ル、タムテックスが開発
アイレムから発売
1986年12月15日発売


あらすじは

『ウィルナー王国』の王子『マイヤー』は王位継承の成人式の前に落ちづかずにいた。
ある日、王子は王国の行く末を案じ、湖のほとりで考えに耽っていた。
すると夜空に月が出ていて月の光を映した湖に影が落ち、
それは人の姿に代わり湖上に着き、話しかけて来た。

「『マイヤー』王子よ! 聖王家の光よ! 今こそ闇を照らす時が来たのだ。
 ウィルナー王国に暗黒の魔王ルーパスの手が伸びようとしている。
 魔王はルーバスは北の山に城を造り、魔法の鐘を鳴らし、魔物を集め、
 王国に攻め入ろうと企んでいる。
 そなたが王国の永遠の平和を望むなら、魔王『ルーバス』の魔宮にいき、
 7つの魔鐘を聖なる炎で焼き尽くしてしまわなければならない」

我に返るとその人影はなかった。
このことを父に報告すると『マイヤー』王子は父王に魔王討伐を言い渡された。
王子は魔鐘を焼き尽くし、魔王『ルーバス』を打倒する事が出来るか?

特徴

パスワードコンテニュー
パスワードはゲームオーバー時に表示

斜め向きが可能


操作方法
十字キー:移動
Aボタン:剣を投擲
Bボタン:メニュー画面時、不要アイテムを捨てる。

スタートボタン:ゲームスタート
セレクトボタン:メニューを開く

得点は0点

良い点
なし

悪い点
①主人公が弱すぎる
②迷宮の仕様。
③ノックバック
④崖
⑤ゲームオーバー時&パスワードでの再開での仕様

悪い点の解説

①主人公が弱すぎる
いくつもあるので分けて解説する。(漢数字で表記)

 一、初期、防御力が低すぎる。
  最初は「100」から始まり、
  近くに最大HP増加アイテムで「200」まで上がる。
  後半に置いてある最大HP増加アイテムで最終的に「299」まで上がる。

  「100」もあればなかなか戦えるんじゃないかと思えるが
  初期装備でスライムに触れるとダメージは「50」を超える。
  2発当たると「さようなら」である。
  弾など小さい物はもっとダメージは抑えられるが…
  体当たりだとどれも50越えは必須。
  体感で言えば「ゼルダの伝説」だと開始時ハートは3個であるが… 
  本作で例えるのなら「1個半」って所だろうか?
  仮に「200」まで増やしても「2個半~3個」ぐらいだな。

  「ゼルダ」なら

  「ピーピーピーピー」

  鳴りやまないってレベル…

  ハートが出るとHPが10増える。
  ハート出現頻度は高い物の回復するのもかなりの作業である…
  「ゼルダ」の「妖精の泉」のような全回復施設など存在しない。


 二、初期、攻撃力が低すぎる。
  攻撃力がかなり低く、剣1発で倒せる敵はほとんどいない。
  スライムだと20発ぐらい刺さなければならない。
  大きさから言えばぶどう1粒に20本以上のつまようじを刺すぐらいだろうか?
  あまりにも刺し過ぎて、もう刺す所ないだろ…

  「ギャグマンガ日和」内の劇中劇
  『ソードマスターヤマト』で10回刺さないと死なない為に
  『ザ・不死身』と呼ばれる『サイアーク』も

  サイアーク「俺より最悪だぜ」

  と言うだろう。
  (ちなみに最強装備の『ドラゴンスレイヤー』装備で7発…)

  まぁ…そんなスライムが1体しか出ないのならともかく
  隣マップから戻ってくればすぐ復活するし、他に堅い敵はいくらでもいる。
  もはや1体の『メタルクウラ』を倒して
  疲労困憊でぶっ倒れる『悟空』と『ベジータ』の前に
  崖がピッカピカなほど並ぶ『メタルクウラ』の集団を見るかのような絶望感を
  味わうことになるだよなぁ…
  いや、本作の場合は絶望感というよりウンザリ感か…

 三、初期攻撃は画面中1発のみ
  主人公が貧弱なので遠くから攻撃したいところだが画面中1発しか放てないので
  1発1発撃っていたら時間がかかり過ぎる…

 四、初期攻撃の弾速が遅い
  装備を整えればかなり早くはなるが初期装備だとかなり遅い…
  ハエが止まれるんじゃないかと思えるレベルである。

  (三、四の要素は敵と0距離であれば連打で切り抜けられるのだが…
   うっかり外すと撃てない時間が長すぎる…)

 五、当たり判定がデカイ。
  「ゼルダの伝説」や「ワルキューレの冒険」に比べて
  横幅は同じだが、身長が倍ぐらい違う。
  そして、剣の発生は手の辺り
  (見ようによっては股間からにも見えなくもない…)
  頭部がお留守である。


②迷宮の仕様
いくつもあるので更に細かく説明する。
(既にウンザリしている方が大半だろうがお付き合い願いたい。
 というか髭人自身がウンザリしきっている…)

 一、迷宮の入り口は見えない
  (もうこの時点で「何それ?」って感じである)
  ただ歩いているといきなり迷宮にワープするのだ。
  (大抵、フィールドの端辺りである)
   突然の事に戸惑う事うけあいだ。
   見えるようになるアイテムは存在しない。

 二、部屋に出口がない
  入ったその場所に出口はない。何で?
  (落とし穴に落ちた的な感じか?)
  出口を探し回らなければならないのだ。

 三、敵の配置
  迷宮内で敵の配置について殆ど考慮されておらず
  扉に入り、隣の部屋に入った途端に敵がいて即ダメージは割とある現象。
  特に、下部の部屋に移動する際は緊張感が漂う。

 四、上下左右がループしている。
  壁がある所もあるが壁がない所は
  上下左右ループしていて困惑する。

 五、部屋の個性が殆どない。
  障害物や仕掛けはなく
  上下左右に扉があるか、敵の種類と数の違い、
  お店(魔法陣)があるかという違いしかない。

  部屋の構造は全く変わらない為、
  ループしているという仕様と相まって非常に迷いやすい。

  ここまでくれば
  察しがつくだろうが地図なんて親切なものはこのゲームに存在しない。

 六、『魔鐘』取得数で店から迷宮に
  城マップにあったお店は『魔鐘』を入手すると
  何故か迷宮に変化する。
  だからゲーム後半はお店は迷宮マップ内にあるものしか利用できなくなる。
  ウゼェ…

③ノックバック
 被ダメージ時のノックバックは強烈で
 それでいて下部の壁などに固められやすく身動きが出来なくなる。
 無敵時間は殆どないのでダメージを食らい続ける中
 投擲連打で敵を倒すのが先か…
 こちらがやられるのが先か…


④崖
 フィールド上の普通の部分では崖部分で下を押しても落ちないが
 奇妙な変化をしている縁の部分で下を押すと落下して即死、ゲームオーバーである。
 これが③のノックバックと⑤のゲームオーバー時の仕様が組み合わされることの極悪さは…
 比類なき酷さと言える。


⑤ゲームオーバー時&パスワードでの再開での仕様
 HPは100固定
 お金は50固定(『魔鐘』取得後は『0』)
 装備品以外のアイテム紛失





これら、悪い点を掛け合わせていくと
プレイヤーが悶絶するほどの極悪化学反応が起きるのである…
作り手は素晴らしいセンスあるよ。嫌がらせの。

まずフィールド上で

被ダメージ

③(ノックバック)

④(崖があってボッシュート)

ゲームオーバー

というのが本作でよく見られるゲーム―バーである。



他にも

被ダメージ

③(ノックバック)

②(迷宮に飛び込むが出口はねぇ)

②二&四(出口を求めて探し回るがループしていて激しく混乱)

②三(入った部屋の敵に包囲され)

①二(攻撃力が低く敵をなかなか倒せない)

①一(敵の被ダメージが高く)

ゲームオーバー。


しかも、これに追い打ちをかけて来るのが
ゲームオーバーでアイテム紛失。

「主人公弱いから、薬を沢山買って固めよう」

つって薬だらけにしても、
うっかり被ダメージでノックバックして崖下落ちたら全てを無くすのだ。
ゲームやめようと思ってパスワード取りたくなった際は死ぬしかないし…
その貯めた金も一死で固定金額となる。

入口見えないって何なんだよ…
設定的に
「7つの鐘が共鳴して作りだした空間のゆがみが目に見えない入口」だそうだ。
「げーむのせつめいしょ」さんの「魔鐘」
このゲームも空間のゆがみによって見えなくなって良し!!
   

1986年8月1日に発売された「ワルキューレの冒険」
本作は4か月後の12月15日である。
ディスクシステムの「ゼルダの伝説」と比較するよりは
「ワルキューレ」と比較するべきなのかもしれないな。
「ワルキューレ」の場合、
ゲームオーバー時の再開はちゃんとアイテムを残している。
しかしパスワードで再開すると殆どのアイテムは紛失する。
が、「ワルキューレ」の方はお金はパスワードで保持されるので
パスワードが取得できる宿屋の近くにある質屋でアイテムを
全て売ればお金だけは残る。
再開時はその金でアイテムを買い揃えばいいのだ。

本作で「ワルキューレ」より勝っているのは…
パスワードが短いって事ぐらいか?
ってか、そういったお金やアイテムのデータを消すから短くしたってんなら
大馬鹿野郎としか言いようがない。


このゲームの本番は、フィールド面の最上階にある塔ステージが乱立するエリアだけど…
まず、そこまでたどり着いた人が当時、一体、どれだけいたのやら…


しかし、パッケージの主人公どうなってんのかね?



寝違えたんだか変な首の角度だし、表情も何か険しいし

きっと主人公はこう思っているんだろう。

「俺のゲーム、この出来でええのか?」

と、首を傾げ困惑しているのだろう…
ハッキリ言っとく。

ダメです。


しかし、ここまで来るとこのゲームが一体何の為に生み出されたのか甚だ疑問である。
どれをとっても苦しみしか生まない仕様の数々。
製作側からプレイヤーに楽しんでもらおうと意図を微塵も感じさせない。
ただ難易度が高いだけなら何度も繰り返しプレイして技術力を磨くって事で
プレイを続ける事が出来るが本作の場合、仕様での難易度だもんな。

「このゲーム、クリア出来る物ならやってみろバ~カ!」

と、コケにされているとすら感じられる。
ゲームって楽しむためにあるのではないのか?


「崖」や「ノックバック」を考えて実装した製作者は
火サスなどのサスペンスドラマのエンディングで出てくるような
崖際2mぐらいの所に立って、ドロップキックされろとすら思うわ。
割とマジで…


そんなゲームの犠牲となった『マイヤー』王子以下
キャラクター達や世界観などすべてに対し涙を禁じ得ない!



ここからがネタバレ






















ボス戦は大体下に向けて攻撃を繰り返してくるので斜めを向いての攻撃が有効。
というか、真下で攻撃しているとノックバックして
出入り口に吹っ飛ばされる可能性が高いからなんだが…


さて、ラスボス戦。
ラスボスの部屋の前に最強の剣が落ちている。
刺さっているのではない落ちているのだ。
(誰が置いておいたんだろ?)

そして3連戦。
巨大なヘビみたいのと2匹の熊みたいのは良く動きを見ていればさほど問題なく倒せる。
ラスボスの魔王であるがこのバカ、魔法なのか周囲に点々と円の形に敵を配置する。
部屋は狭いので避けるのは困難。
というか、1度当たるとノックバックで固められて身動きが取れない。
その間に、攻撃していくしかない。
大ダメージを受けるので薬が必要になる。
回復して体力が減り続ける中連射し、再び回復である。
無敵時間が殆どないので体力をよく見てないと死ぬ。

もはや避けたり見抜くテクニックなどなく
剣を連射し回復するタイミングを計るだけのゲームでしかない。
(まぁ、それが結構難しい…被ダメージがかなり大きいからだ。
 髭人は3度失敗した)

ボス戦の中でラスボス戦がひどいって何なん?
(プレイ動画を見たら安全地帯があるようでそこまで良ければノーダメージで倒せる模様
 但し、うっかり1発でもあたると上記の通りノックバックで身動きが取れなくなる…)

で、何とかラスボスを倒すと
無数の『魔鐘』が降って来るんだよな。
(見ているだけで色々と思い出してゲロを吐く思いだった…)

それで、王室で王位継承でもしたのか
大きめの主人公と王が出て来てお互い目を合わせてから微笑み

スタッフロールとなる。





本作、唯一の評価点は
「ワルキューレの冒険」と違って簡素ながら動くエンディングが存在していること。
上記の、王様と王子が出てくるところだ。
初期のファミコン容量では致し方なかったというか
文字だけその後を解説して終わりなんてよくあったからな。
しかも全文英語で、全く分からない人は

「なんのこっちゃ?」

で終わる無知の悲しみ(涙)

だからと言って、そのエンディングだけで
本作の全てを挽回できるかっつたら
無理無理無理無理。


さて…
本作についてまとめていこうか?
このゲームはどーもゲームの流れと仕様がかみ合っていない。
非常に多くの 『無駄』 が存在している!

購入アイテムはかなり種類があるが
上記ラスボス戦で体力が持たないので薬を買うぐらいだ。
それ以外は『無駄』だと言い切れる。
何でかって?
結局、うっかり穴落ちゲームオーバーをしてしまうと
買ったアイテムを全てを失うのであれこれ買いそろえるのはバカがする事だ。
というか配置が酷いから別マップ移った瞬間に

被ダメージ→ノックバック→穴落ち→ゲームオーバー

というコンボはよくある。
もらい事故というレベルだ。
そのリスクを考えたら消失するアイテムを大量に買うのは『無駄』でしかないし
愚行であるという認識しかしなくなる。


次に
迷宮は10種類もあるが「ゼルダの伝説」のように迷宮毎の個別アイテムはない。
中に入ったらせいぜいスライムのタワーで
楽々金稼ぎとお店を探してアイテムを買うってだけである。
お店の品ぞろえは8店舗。1つの迷宮に4店舗以上あるので
2つか3つの迷宮に行けばお店自体、全部を回れる。(品揃えはかぶりあり)
それ以外の迷宮は『無駄』である。
(ノックバックで入口に飛ばされて侵入させられるという実質ペナルティ扱い)

そして
塔エリアのボスを倒すと『魔鐘』を手に入れる事が出来る。
その取得した魔鐘の数によってお店の商品が変わる。(面倒くせぇ仕様)
一応、武器防具などは強力な物を置いてくれるのだが…

その塔エリアに存在する隠しエリア(見えないスペース)で最強の防具があるという…

お店で購入する中途半端に強いだけの武器防具なんて
ハッキリいって『無駄』である。
その上、1度『魔鐘』を手に入れると攻略した塔への侵入が出来なくなってしまうので
態と、別のアイテムを手に入れてから最強防具を取ろうなんて事も出来なくなってしまう。


ひたすらプレイヤーはこのゲームの無駄に付き合わされることとなる。
ここまで無理、無駄の連続だと

「無理とか無駄とか言う言葉は聞き飽きたし
 俺達には関係ねえ」

と、言った「ジョジョの奇妙の冒険」の『空条承太郎』も本作をプレイしていたら

「これは確かに無駄だな…」

と、頷くかもしれない…



さて、長々と怒りと嘆きを語りつつ
憎しみがある反面、不思議な感情も湧く事に気付く。
これほど『無駄無駄無駄無駄』と続けていると興味も湧いてくるんだよね。
製作者と話をしてみたい。

「良くこんなゲーム、世に出せた物ですね。
 何でこんな出来になったんですか?
 テストプレイするしない以前の話だと思いますが…
 プレイヤーのみんなにはどう思ってこのゲームをプレイしてもらいたかったですか?
 それと、発売直後の世間の反応はどうだったんですか?」

などなど純粋に聞いてみたい。
割とファミコン初期のゲームである本作。
ゲームについて右も左もわからない人が

「取り敢えずファミコンだから買ってみよう」

という風に購入された可能性が高い分、『被害者』は多いだろう。
対談したら「たけしの挑戦状」並に面白い逸話が山のように出て来るかもしれない。
製作側にしてみればトラウマものだろうが…(苦笑)


『魔鐘』を焼くのが目的のゲームタイトルが『魔鐘』
本作も漏れなく、焼いてやるのが最大の供養となるだろう。
ただ、今、プラスチック製のカセットを実際に焼こうとすると問題だよな。
焼くにも焼けないとかどーすりゃええねん…このソフト…


『マイヤー』王子は常にこのソフトを握りしめて冒険してほしい。
そうすれば

「被ダメージ→ノックバック→穴落ち→ゲームオーバー→アイテム紛失」

という流れで
この憐れむべき「魔鐘」を抹殺する事が出来るだろう。







さらば!
『魔鐘』!!





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