髭を剃るとT字カミソリに詰まる 「髭人ブログ」

「口の周りに毛が生える」という呪いを受けたオッサンがファミコンレビューやら小説やら好きな事をほざくしょ―――もないブログ

「AKIRA (アキラ)」 レビュー (ファミコン)

2020-05-17 21:00:24 | ファミコンレビュー
同名映画を元にした作品
コマンド選択式アドベンチャー
タイトーが開発&発売
1988年12月24日発売


あらすじ
映画を見てねん。

特徴

・シナリオ、プロデュースは原作者の大友氏本人

・映画版の流れを忠実に再現しており
 終盤まではそれと映画と同じように展開させなければならない(重要)

・マルチエンディングであり、終盤は異なった事になる。


点数は10点


良い点
なし


悪い点
・死にゲー
・文字スクロールが遅い
・音楽が乏しい
・パスワード


悪い点の解説
・死にゲー

 映画の部分を踏襲する事に固執しすぎており
 ちょっとでも逸脱した選択肢を選ぶと
 忽ち「死ぬ」か「少年院送り」
 いずれもゲームオーバーである。

 遊びがあまりにもない。
 映画未視聴のプレイヤーなら主人公『金田』は100回以上は死ぬんじゃなかろうか?
 誇張なしの話である。
 

・文字表示が遅い

 文字表示の速さの変更は出来ない。
 キーやボタンを押しても文字の速さは変わらない。
 死にゲーで同じ場面を何度も見る羽目になるのに
 文字速度が遅い上に変更不可なのはいただけない。
 

・音楽が乏しい

 序盤の無音が多い。
 何かアクシデントが起きた時に聴くぐらいが多く
 通常時は無音である。
 「ポートピア連続殺人事件」かと思ったほどだ。
 1985年11月29日発売の『ポートピア』から考えると本作は3年後発売である。
 それまでのファミコンアドベンチャーを挙げるのなら…

 「オホーツクに消ゆ(1987年6月27日)」
 「リップルアイランド(1988年1月23日)」
 「探偵 神宮寺三郎 横浜港連続殺人事件(1988年2月26日)」
 「サラダの国のトマト姫(1988年5月27日)」
 「じゃりん子チエ(1988年7月15日)」
 「えりかとさとるの夢冒険(1988年9月27日)」
 「AKIRA(1988年12月24日)」

 この時期であの音楽のショボさってのは…他に見ないぞ。
 アドベンチャーだからこそ劇中の雰囲気を出すために音楽に拘らなきゃならんのじゃないのか?
 そして…まだ音楽について言いたいことがあるがこれはネタバレ欄に書こう。

 (しかし、このゲーム、クリスマスイブに発売なんだな…
  サンタも真っ青になるわ)


・パスワード

 コマンド選択式アドベンチャーにしてはパスワードまず長い。

 8文字 × 3行 = 24文字

 パスワードを用いるRPGのように
 任意で取ったり捨てたりするアイテムとか経験値やお金とかねぇだろう。
 場面場面でパスワードを取ればいいんだから
 やろうと思えば10字以下で収められるんじゃないの?
 そんなに微妙なフラグとか隠れ数値とかあるとは到底思ないのだがな。
 やたらと映画と同じように進行させるこのゲームに。

 その上でミスると文字は全消去。
 全て打ち込み直しである。
 何で書き留めた文と打ち込んだ文を確認させないような仕様にすんの?
 今の時代はスマホや携帯で1発パシャで済むが、打ち間違いはするぞ。

 ちなみに、このゲームでパスワードを取得するには
 敢えてゲームオーバーになり「もうやめる!」を選択した時のみである。

 普通のゲームであるのなら死んでゲームオーバーは面倒だと思っているが
 このゲームはいとも容易く死ねるのでその点については全く問題はない。




死ぬ。死ぬ。ひたすら死ぬ。

よって、このソフトは如何にして

「死亡回避ルートを探る検証作業」

をすると言っても過言ではない。
そんなもんはゲームとは言えん。

こんなに終盤まで厳密に映画の内容をなぞらせるだけのゲームでしかない。
それは所詮、ファミコンレベルでしかない。
映画のすさまじいほど書き込まれた作画や音楽、効果音、そして声など入れようがないのだ。
そんな比較するのもおこがましいほどの劣化作品を作っていて
製作者は誰か言わなかったのだろうか?

「これなら映画を見た方がいいじゃん」

ってね。
いや、製作者誰もが思っただろうけど「作れ!」という鐘が別の所で鳴らされたら(大体、えらい部署)
言い出せないか…
上が映画そのもの出来を見て
ファミコンスペックやスタッフの技術力でどれぐらいのものが作ることが出来るのか
考えられる頭を持ってないとしんどい物があるわな。



死ぬほど見る羽目になった死亡時の

「ゲームオーバーです!
 もういちど やりなおしてください。」

というメッセージと共に
死亡時には金田が倒れているか少年院送り時鉄格子の向こう側にいるかの画像と
共に、『やる』か『もうやめる!!』かを選択する事になるが
率直な感想は

髭人「もう1度だと?
 30回以上見たぞ。このゲームオーバー画面
 ってか、プレイヤーにやり直しを乞う前に
 作り直しを30回しろ!」

映画を見た人なら「映画版AKIRAカルトクイズ」みたいな扱いも出来るだろうが
未視聴、または見ても忘れている人にとっては
某マンガに出てくる主人公の特殊能力により死に続けるギャングのボス並に死ねる。
『金田』も彼に出会ったら自分と同じ境遇に気づき

「お前も同じか!友よ!」

と、抱きつかれるんじゃなかろうか?

それに関連してソフト自身にしてツッコミを入れてみようか?
ソフトに「アキラはここにいる」などと書かれているが
このゲームに関して言えば

「オレのそばに
 近寄るよなああ―――――――ッ!!」

と、心の底から言いたい。

しかし、パスワード入力がダメなゲームは
ゲーム自体も高確率でダメと髭人が提唱しているが
なかなかの的中率やね…



折角、箱付きを買ったので前後の箱の表紙。

発売メーカーである
「タイトー」のキャッチコピーが

「キャッチ・ザ・ハート――」

だそうだが…
これでプレイヤーのハートがキャッチできると思っていたのなら
とある女子中学生はこういうだろう。

「堪忍袋の緒が切れました!」


PS)「髭人ブログ」のゲームのレビューは
 大抵、毎週金曜日の21:00に挙げているが
 今回は日曜日である。
 なぜか?
 それは2020年5月17日が「AKIRA」にとって記念すべき日なのだ!!
 本作の取説に『金田』免許証が載っていて
 その免許の失効日が今日までなのだ。



 映画でバイクでブレーキをかけるシーンがかっこよくて他のアニメも流用しているようだが
 明日から『金田』が同じことをすると無免許運転で検挙されるぞ。



ここからがネタバレ























髭人は最初の謎解きで詰まった。

取調室外にいる女の子に「お茶に誘う」を選ぶと
モブの男が手榴弾のピンを抜くのだ。
それで選択肢が出る。

『さけぶ』
『おどろく』
『おどる』

これらを選んだ後に出る共通の選択肢

『にげる』
『とりあげる』
『ふせる』
『みつめる』
『いのる』

髭人「これらの組み合わせで生死が決まる訳か…」

ってなわけで

3×5 =15通り

全て試す訳だが
すべてが『死亡』もしくは『少年院送り』。
つまり『ゲームオーバー』である。

それで仕方なく
取調室外にいる人や壁や床などを隅々まで
アドベンチャーゲームにありがちなカーソルで探しまくるが何も変化はない。

髭人「何も変わらんぞ!
 何なんだ!このゲームは!」

と、思うが完全にゲームのドツボにはまってしまっている。

何故なら、
最初の取調室内で女の子の情報を手に入れてないと
取調室外では何をしようと手榴弾男がピンを抜いてゲームオーバー確定だからだ。
ちなみに一度、取調室の外に出てしまうと中に再び入る事は出来ない。
ゲームオーバー復帰直後が取調室内なのでその間に女の子の情報を手に入れてないといけないのだ。

って事で、女の子情報を手に入れずに取調室を出てしまうと

「詰み」

である。
これがこのゲーム、最初の謎解きである。
アホなのか?


映画を観た人なら余裕なのかもしれないが観てない人は

「ご愁傷様」

って感じなんだろうな。このゲームの製作者的には…


ストーリーに関しては
上記、箱裏にでかく「オリジナルストーリー」などと言っているが
実質的は8割は映画版をほぼ準拠。
その上で話を大分削っている。

ハッキリ言って
「AKIRA」名台詞

金田「さんを付けろよ。デコ助野郎!」

までの展開はどれも共通であり、そこから始めても全く構わない。



エンディングは5種類

①『テツオ』倒しエンド
②『アキラ』覚醒エンドその1
③『テツオ』膨張エンド
④『アキラ』覚醒エンドその2
⑤トゥルーエンド


①テツオ倒しエンド

 このゲーム中2回、『テツオ』にレーザーガンを向ける場面がある。
 その時、2回とも『テツオ』の胸に照準を向けると
 『テツオ』を普通に倒す事が出来て

 「ネオ東京に平和が戻った」

 と、エンディング


②『アキラ』覚醒エンド~その1

 1度目に『テツオ』にレーザーガンを向ける時
 『テツオ』の脇にサンプルケースがある。
 それに撃ち込むと『アキラ』が覚醒し
 『テツオ』と『金田』を光が包み込み
 ビル群をも飲み込むほど大きくなっていった。

 「ネオ東京を 更なる 災悪が
  押し包もうと していた・・・」

 と、いうエンディング



③『テツオ』膨張エンド

 2度目の『テツオ』との対決で
 『ケイ』からもらった鏡を『左』に投げ
 鏡にレーザーを撃つ。

 すると『テツオ』は力が暴走して膨張し始める。

 「見る」「撃つ」

 の2択で「撃つ」を選択

 レーザーのエネルギーと『テツオ』の力が暴走し
 老人3人とサンプルケース、ビルなどを触手が飲み込む。

 「ネオ東京に 静けさが 戻った。
  破壊しつくされた 旧市街で テツオが
  泣いていた。

 テツオ『おーン、 おーン、 おーン、、
     おーン、 おーン、 おーン、・・・』」


 と、いうエンディング
 (但し、泣いている『テツオ』の絵はない)


④『アキラ』覚醒エンド~その2~

 上記『テツオ』の膨張までプレイして
 「見る」を選択。

 するとサンプルケース付近にいた老人と化した子供3人が
 『アキラ』を覚醒させる。

 老人と化した子供が出て来て
 「今行ったら逃げられなくなる」という問いに3択

 「話す」「逃げる」「殴る」

 の3択

 ・「逃げる」のケース
  ※「逃げる」と「殴る」は似ているので同じ項目で説明する。

 『アキラ』覚醒の時の光が更に広がり
  ビル群を飲み込む。

  そこで逃げた仲間の『かい』と『けい』と合流を果たす。

 一方、瓦礫の上で
 『アキラ』と『テツオ』は再生していて

 テツオ「ようやく あえたなァ・・・
     アキラちゃんよォ・・・」

 と、『アキラ』と対峙する『テツオ』

 「壊滅した ネオ東京に 舞台に
  新たな アキラのストーリーが 始まろうと
  していた…
  大東京帝国へ…」

 というエンディング


 ・「殴る」のケース

 『金田』も光に飲み込まれてしまう。
 『金田』は『テツオ』の過去を見て
 光の中で『アキラ』を見るが
 『金田』は消滅してしまった。

 2つのパワーがどうプラス・マイナスに作用したのか
 『アキラ』と『テツオ』が再生していた。
 と、上記『アキラ』と『テツオ』が対峙するエンディングとなる。


⑤トゥルーエンド

 上記

 「話す」「逃げる」「殴る」

 で、「話す」を選択
 『金田』が光に飲み込まれそうになった時
 3人の老人と化した子供が

 「あの人は関係ない」
 「3人でやれば助けられるかもしれない」

 光の中で『金田』は『テツオ』の夢を見て
 『アキラ』を見る。
 光の玉は暗黒に塗り替えられビル群を飲み込み
 海にまで達した。

 小さい光の玉が瓦礫の上に降りる。
 そこには『金田』がいたのだ。

 『ケイ』と『カイ』がやってくる。

 『金田』達はバイクで『ネオ東京』に向かっていった。

 「…真っ白な空間に 光が 走り、
 やがて 原子が 誕生した。
 原子は…

 成長し、 ガス状のものとなった。
 遂には 宇宙が 現れ…
 星雲と…

 星々が 生まれて行った…

 テツオ『ぼくは… テツオ…』」

 というエンディング
 他のエンディングはスタッフロール時1枚絵が変わらないが
 このエンディングのみスタッフロール時ゲーム中に出てきた画像がいくつも変わる。



さて…
そんなエンディングがあった所で…
悪い点の「音楽」の続き

これらのエンディングなのに…
やたらと音楽がポップな感じなのだ。
『テツオ』倒しエンドなら悪役倒したってことでまだ分かるが…
その他も全部共通のポップな曲なのだ。

作曲者どーなっとんねん!!

どれも曲は共通だからトゥルーエンディングにたどり着いても

髭人「これ、本当に真エンディングなのか?」

と、疑いを持つほどだった。


しかし…
オリジナルストーリーを謳うなら
ゲームではアキラ覚醒エンドから先をやれや…
なんで知りたいそこでぶった斬って強制終了やねん。
ファミコンレベルの映像で映画をなぞる作業を8割がたせにゃならんねん。

まぁ…映画のスタッフは超一流の方々が集まって作ったようだからな。
一方、ゲームのスタッフは無名の人たちであったのだろう。
映画を見ながらファミコンで出来る表現をあの手この手で作り出していたんだろうね。
で、その先があったとするなら自分たちで作らないといけない。
なぞるべき偉大な資料がなければ何も生み出せないからこそこうなったのかねぇ…

最後に
主人公『金田』もこのゲームをプレイして
取説の顔写真と同じようになったのだろう。
怒りや悲しみなどの感情がなくなって半笑いなってしまうという…



さんざん、死にまくる『金田』を見てプレイヤーも同じ顔になりますわ。
もはや遺影である…

しかし、遺影か…
某有名ゲームも死にまくってゲームオーバー画面に遺影が表示されるゲームがあったっけな。
あ、奇遇にもあのゲームの発売メーカーも「タイトー」だったな。
確かに、劇中は全く出てこないのにエンディングに出てくるのも同様だと言えるしな。
新たに生まれた『アキラ』くんがあの一言を言ってくるんじゃないかと疑うほどだった。
では、その一言をこのゲームの締めといたしましょうか。

AKIRA「こんなげーむに まじに
 なっちゃって どうするの」


つまらなければ押すんじゃない。

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