先月、珍しく封切直後の映画アメリカン=スナイパーを見に行った。監督はダーティ=ハリー?ことクリント=イーストウッド。ファンなんだよなぁ。子供の頃見たローハイドのロディ役の時からカッコよさが好きだった。余談だが最近このロディはRowdy(荒くれの意)だったことが判った。ロウディじゃ言い難かったのだろうがいまさら言われてもなぁ(笑)。
ガキの頃TVのコンバットを見ていたせいか、狙撃兵というと単独で行動するものだと思っていた。サンダース軍曹達が仲間と喋りながら歩いていると突然ドイツ兵に撃たれる。狙撃兵というのは一般兵士にとっていつ撃たれるか判らないという恐怖を与え、士気を挫く存在だと思っていた。
ところが、この映画では高所から味方の行動を把握し、援護する役割を持たされていた。子供に爆薬を渡し攻撃を促す母、それが失敗したと判るとその爆薬を持って米戦車に迫るのだがカイルの狙撃により彼らは排除されてしまう。母子の死を、イラクでの戦いをこの映画は淡々と描く。
どちらに肩入れする訳でもなく、戦争に対しての賛美は無い。邦画“永遠の0”に滲み出ている胡散臭さが感じられないのだ。カイルは『ネイビー・シールズ最強の狙撃手』として妻の反対を押し切り、その後三度の派遣に応じた後、除隊するのだが妻や家族とのずれは派遣の度に広がっていた。
除隊後も過酷な戦闘の記憶が蘇っては一般社会に溶け込めず苦しんでいたのだが、主治医の勧めで肉体的、精神的に傷付いた帰還兵の世話をすることで立ち直るようになった。そしてある日PTSD(心的外傷後ストレス障害:Posttraumatic stress disorder)に苦しむ兵士を伴い射撃場に向かうのだが、そこで彼に殺害されてしまう。
注目された事件なのだから、そこで何があったかは明らかになっているはずだが、この殺害されたシーンは文字だけで説明されている。それが返って現実性を与えていたと思う。今年のアカデミー賞の各部門にノミネートされていたのが頷ける映画だった。原作はカイル氏の自伝。良い映画だと思う。
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