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か弱い主人公

だいたい物語の主人公はタフである。怪奇映画のゾンビなんぞはなかなか死なない(笑)。あ、これはタイトルだけで主人公では無いかも。題名からして死なないのがダイハードのジョン=マクレーン。人間としてあり得ない大活躍をしてくれる。

恋愛物ならいざしらず、病弱な主人公なんて存在しないのかと思いきやミステリーの世界では頭脳だけというのもありのようだ。たがみよしひさ作の探偵漫画(こう呼んでいいかは疑問が残るが)『なあばすぶれいくだうん』には車に乗るたびゲロる病弱な主人公、安堂 一意(あんどう いちい)が出てくる。

高木彬光著『成吉思汗(ジンギスカン)の秘密』ではベッドに横たわった神津恭介が義経=ジンギスカン伝説の証明をする。病弱とはちょっと違うかも・・・蛇足ではあるが、この作品は大変に面白く、ぼーずの友人コージはこれに心酔してしまい、よせばいいのに中国史ゼミでこれを発表し、教授から研究室出入り禁止の大目玉を食らった程である。

前置きが大変長くなったが、畠中恵さんの作品、大好きな『しゃばけ』シリーズでは虚弱体質の主人公、一太郎が活躍する。江戸で有数の薬種問屋(後に廻船問屋でもあることが分かる)長崎屋の跡取り一太郎は、生れ付いての虚弱体質で具合が悪いと向かいの店にも出してもらえないほど過保護に育てられている。

両親は彼を溺愛し、佐助・仁吉という凄腕の手代に彼の世話を任せている。実はこの二人、犬神・白澤(はくたく)という妖怪であった。そもそも亡くなったとされている一太郎の祖母おぎんは狐の大妖怪皮衣(かわごろも)といい、天界では今も荼枳尼天に仕えているという設定だ。

この若旦那には妖怪としての能力は無いのだが、人には見えない妖怪を見ることが出来る。かくして彼の周りにはいつも害の無い妖怪たちが群がり、聞きつけた事件話をしたり、おやつをもらったりしている。事件が起こると彼等はいい助けとなるのだ。

自分が過保護に育てられていることに負い目を感じている一太郎は事あるごとに自分一人で解決しようとするのだが、ピンチになると佐助、仁吉が彼を助ける。TVドラマにもなっているのでご存知の方も多いと思うが、出版されたシリーズ全てが秀逸な作品だと思う。江戸時代が舞台のミステリーファンタジーと言う所か。遅ればせながらハマりまくっている。(今頃かい!)

文庫本『しゃばけ』の巻末にタヌ顔のキュートな女性の写真が載っていた。作者とある。出身は高知。うーん、この妖怪に対する博識さは只者では無い。きっと金長狸の子孫では無いかと一人ごちたぼーずである。あれっ、金長は徳島だっけ??
 
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