東箕輪ブログ

毎日単語帳づくりに追われて、それを活用できずに英語をマスターできない変なおじさんのブログです。

サヴァン症候群と脳の再配置

2011-02-16 12:18:57 | 日記
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サヴァン症候群(SAVANT SYNDROME)

 精神障害を持つ人間がその障害とは対照的にある面で驚異的な才能発揮する場合をいう。もっとも症例は少なく、世界でも100例ほどである。
 彼らの天才的な能力の裏にある共通点は1.驚異的表現力、2.異常な記憶力、3.知能障害である。また彼らの天才的能力の正体について決定的な説は存在しない。
あるサヴァン症候群の患者の死体を脳の構造を知るために病理解剖したところ、大脳皮質に2つの柔らかい神経繊維の束が認められた。この普通の人にはない神経細胞の束が特別な回路を作り、特殊な才能を発揮していた。
 サヴァン症候群の患者に見られた脳の異変は脳の再配置と関係している可能性があると考えられている。
 通常我々が手や足、顔などの感覚を感じるのは脳内の体性感覚野に、体のそれぞれの刺激に反応する神経細胞群あるため体の感覚を感じる。ペンフィールドの身体地図は体の感覚の支配領域が示されている。
 専門家らによるとこの脳内の地図は成人以降は変化することがないと考えられてきた。ところが特殊な環境では大人でも神経細胞同士の配線の組み替えが起こるという。これが脳の再配置という。
 面白い実験がある。プリズムを利用した“逆さ眼鏡”という装着した眼鏡を通して見える映像がすべて上下反転して見えるという状況を作り、日常の生活をさせて被験者にどのような変化が起こるかを試みたという。すると最初はすべの行動がぎこちなく、歩行にまで困難な状況を強いられ、日常の生活を難しいものにしていた。ところが、3日を過ぎると、ある程度歩いたり、本を読んだりすることが可能になり、何と1週間後には自転車にも乗れるようになり、日常生活にほとんど支障がなくなることが明らかになった。
 実はこの時脳では再配置が起こっていると考えられる。PETで実験前と実験後の脳内の視覚刺激に対する反応の様子を比べたところ、脳内の3ヵ所で活動の仕方が変化していることが明らかになった。様々な情報を処理する前頭葉、運動や空間情報を処理する頭頂葉、色や形を処理する側頭葉の一部に変化が見られたという。これは最初“逆さ眼鏡”による馴染みのない情報に農が対応しきれず、思うように行動できなかったが、その視覚情報が入力され続けることで、脳の神経細胞のネットワークが逆さの世界に対応できるようなつなぎ方に変えられるのである。つまり環境の変化によって起きた神経ネットワークの再配置なのである。
 これは外傷などで脳に入力する神経の一部を失った場合、または病気などで脳内に障害が発生し脳の一部の機能が停止した時にも起きる。
 脳の神経細胞は限られた脳の領域のなかで接続相手を求め、競争しあっているという。「A」という領域が機能を停止し、通常の活動が行えなくなった場合、「A」の周りのB、C、Dという領域が停止したスペースにAの周りに侵出し、徐々にそれらの領域に取り込まれていくという。それは神経細胞間で競争原理が働いているためと考えられる。
 神経細胞は接続相手を求め競争しあっているという。
 この神経細胞の競い合いこそがサヴァン症候群の謎を解く鍵であったと言える。
 それは脳の頭頂葉に角回という場所がある。これは脳の左右に2つあり、左の角回は数学的な計算能力に関係しており、右の角回は絵を描く能力に関係しているという。
 絵を描くのに超人的な能力を示す精神障害者は胎児期や誕生直後右の角回の周辺が障害により機能が停止していたのではないかと考えられ、脳内で再配置が起こり、角回の神経細胞が周囲に侵出したのではないかと考えられる。角回は通常の大きさより肥大し、本来持っている能力以上の驚異的な絵の才能を発揮したと考えられる。
 幼児期の障害による機能停止が音楽の能力を司る領域の周囲で起これば、音楽の能力を司る部位が再配置により強化されると考えられる。
 このようにサヴァン症候群は脳の再配置により引き起こされた可能性が高いと言える。 また彼らの驚異的な記憶力も再配置が大きく関係しているに違いない。再配置によって拡大した領域は本来のネットワークとは別のネットワークを持つという。その結果記憶力を高めたのではないかと考えられる。つまり角回の領域が機能を停止した領域まで広がった場合、本来角回とつながっている記憶回路と再配置により広がった記憶回路を得る。よって角回が働くときは通常より多くの記憶回路を使用できる。このため絵を描くことに関連した部分の記憶が極端に上昇したり、ピアノを演奏することに関連した部分の記憶が極端に上昇したりすると考えられる。
 脳の再配置は脳の配線に余裕のある12歳頃までに強く現れる。このためサヴァン症候群は幼児期に見られるのではないかと推測されている。
 また事故などで失った手足が健在しているかのような感覚を示す幻肢も再配置によって起こされていることが近年になって明らかにされた。
 事故で左腕を失った患者に協力を得て簡単な実験を行った。実験は綿棒で体に触れ、体のどこを触れられている感じがするかを申告してもらうというもので、奇妙なことに頬を触られたときに頬と失ったはずの手の親指に触れられた感じを受け、場所を数センチずらしたとき、人指し指に同様に触れられた感じを受けたという。さらに切断した左腕の方に触れたとき、失った腕の指先に触れられた感触を得たという。つまり、左の顔と肩に失った手の感覚が再現されていたのである。左腕に対応していた領域は再配置により顔と肩の領域に取り込まれていたと考えられる。
 この患者の場合、脳の体性感覚野にあった手の刺激に対応する神経細胞群が機能停止してしまった。が、顔の刺激に対応する神経領域と肩の刺激に対応する領域が侵出し、手の領域を取り込んでいったと考えられる。これによって顔や肩に刺激が伝わると手の領域にも刺激が伝わり、顔や肩に触れられると手も触れられていると感じるのである。
 左腕を切断した患者の脳をMEGを使って調べたところ、左脳では顔、手、上腕とそれぞれ独立した領域を保っているが、右脳は左手を失ったため手の領域は見られず顔と上腕の領域が広がっている。よって刺激を感じるたびに脳内では信号が手の領域に伝わるため、手が存在している感覚を生み出していた可能性がある。
 サヴァン症候群、幻肢、脳の再配置…。これらをめぐって様々な検証が進められるとともに、再配置を人工的に起こす研究まで進められているという。
 ジヒドロキシフェニールセリンという薬剤を用い、再配置を人工的に起こさせる医学実験まで行われている。これにより失語症や弱視の治療を研究しているというが…。
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