へちま細太郎

大学院生のへちま細太郎を主人公にしたお話。

須庭寺のポケストップ

2021-10-07 09:34:23 | へちま細太郎

細太郎です。

セブンからポケストップがなくなる、というニュースをみたが、たまに須庭寺に行くと境内をスマホやタブレットを持ってうろうろしている人間を見かける。その中にたまに、住職さまと孫たちもまざっていることもある。副住職のおっさんが青筋立てて蹴散らしたこともあったが、寺からも戸籍からも文字通り叩き出されたおっさんがいなくなり、住職様は寛容にも境内を開放している。自分がやりたいだけだろう。
で、その副住職のおっさんは、今は修行のやり直しで、北陸の本山の山深く作務やひたすら只管打座の生活と一時たりとも無駄な時間を過ごしていない。ざまあみろだが、暴走バイクでパトカーに追いかけられた方がマシかもしれない、と泣いているに違いない。ざまあみろだ。
といっても、住職になるための最終の首座法戦式も住職様と近隣の親戚寺院でまとめてやったものだからその程度も伺いしれるし、改めてやり直させて欲しいと一応高僧でもある住職様のお願いがあり、何年か後には機会が巡ってくるかもしれない。そう、なんたって若く将来を嘱望されている修行僧は大勢いるわけだしね。
一生禅問答してろ、とはことみさんのセリフ。
でも、住職様が万一の時はどうするんだ?と、思わないわけでもないがその時は、
「まあ、美都市内に同門のお寺を継いでいる従兄弟に来てもらうわよ。檀家さまとはお話がついているしね」
ここみちゃんにここあちゃんに、蓮君に照君に吾君の5人の子供たちか、百合絵さんの生んだ正法(まさのり)君のうち誰かがあとを継ぐのだそうだ。キラキラネームの坊さんがいたって別に悪くもない。少なくとも、正法君にいたっては読みにくい。なんで修道女の子供が跡継ぎになるんだよ。謎だ。
ポケストップの話題だったっけ。須庭寺にはポケスポが2か所あり池と五輪塔と、本堂にはジムがある。平日には近所の愛好者がやってきて、よほどのことがない限り本堂の広い縁側でジムで戦っている。百合絵さんはこども園の園長として日々忙しく、ことみさんが内心うっとうしそうにしているものの穏やかな笑みでたまにお茶を振る舞っている。
う~ん、と俺はうなりつつも本堂の隠し部屋で今日も一人孤独を楽しんでいるのであった。

コメント   この記事についてブログを書く
  • Twitterでシェアする
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« 野球の応援歌の話 | トップ | いつもいつも何だが »
最新の画像もっと見る

コメントを投稿

へちま細太郎」カテゴリの最新記事