hiroの花便り

我が家に咲く花や日々の暮らしを綴っていきたいと思います

本多孝好「真夜中の五分前」

2021-02-17 | 本・雑誌など



DVDを見た後、小説も読んでみたくなり、近くの本屋さんに
出向きましたが、在庫がありませんでした。
そこで本屋さんで取り寄せて頂きましたが、3日もかかる上に
また本を取りに行かなければなりません。
本屋さんで本を買うメリットは沢山あると思いますが、
こういう場合は翌日にはすぐに自宅に届くネット購入が便利ですね。

さて、原作を読んでわかったことは、
映画はずいぶん原作がアレンジされていたということ。
僕という「幹」を日本から上海に渡った孤独な時計修理工に
設定することによって、僕を取り巻く脇役という
「枝葉」を削ぎ落せるので、想像力は小説以上に必要ですが、
筋が分かり易くて良いのではないかと思いました。


参考まで、
双子の姉妹や妹の婚約者の職業も変更されている。
姉かすみ:大手電機メーカーの事務員26歳→ルオラン:フリーライター
妹ゆかり:アパレル会社(現在は花嫁修行)→ルーメイ:映画スター
妹の婚約者尾崎さん:弁護士31歳→ティエルン:映画プロデューサー


室内咲きのハイビスカス・フィジアン(2021.02.06撮影)

原作では主人公の僕が、小さな広告代理店に勤務する
26歳の男性となっています。
現在の職場や仕事の話から、学生時代に事故で失った恋人のこと。
その恋人が好んで使っていた5分遅れの時計を
今でも使い続けていること(これは映画のリョウと同じ)
それ以来、誰と付き合っても体の関係は持たず、
現在交際している原さんとも別れ、
たくさんの恋人を作っては別れることを繰り返しきたことなど。
僕を取り巻く日常的なことが幅広く描かれています。

ある日、僕はプールで一卵性双生児の姉・かすみに出会い、
妹・ゆかりの婚約祝いのプレゼント選んでほしいと頼まれる。
デパートで選んだのは瑠璃色の陶器の香炉。
(映画ではリョウが修理した古い置時計)
それを機に二人はよく会うようになり、子供の頃の話や
妹の婚約者尾崎が好きなことなどを打ち明けられる。

姉妹で洋服を取り換えても、母親は二人が入れ替わった
ことも気づいてくれなかったこと。
環境を変えればどこか違ってくるはずと、高校から別の進路
を選んでも、相手との差がみいだせなかったこと。
それなのに、尾崎さんはなぜ自分ではなくゆかりを選んだのか。
自分はいったい誰なのか、姉妹はそれぞれの
アイデンティティを明確に出来ぬまま生きてきた。


「side-A」は僕と姉・かすみが心から愛し合い、
恋人として結ばれるまでが描かれている。



宿根ネメシア(2021.02.06撮影)

「side-B」からは物語は一転。
かすみはゆかりとスペインからセビーリャへ向かう旅の途中、
列車事故で命を落としてしまう。
(映画ではモーリシャスで海難事故に遭う)
僕は、会社の取引先の野毛さんに引き抜かれ、
独立してプロデュース業を営んでおり、仕事はとても順調。
ただ、ゆかりと結婚した尾崎と同じように、かすみの死に違和感を抱いている。

物語はまだ続きますが、ここまでとしておきましょう。

コメント (6)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする