お寺さんぽ Ver.03

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東福寺 (京都)

2006年07月27日 | お寺
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は京都は東山区、臨済宗の「東福寺」です。




今回はこんだけ高いんだよーというのを見ていただくため、そんなんが分かるような写真としてみました。
どこにも寺っぽさがない、単なる風景写真となっていますが、ちょっと楽しめるんではないかと思いましてー。

さて、この「東福寺」
平安時代頃は、この地に藤原氏の建てた氏寺、法性寺(ほっしょうじ)があったそーな。
嘉禎二年(1236) 今は鎌倉時代。
時の摂政「九条道家」はそこに、巨大な釈迦如来像と共に大寺院を建立することを思いつきました。
奈良における最大寺院の「東大寺」、同じく奈良にて勢力の強い「興福寺」になぞらえようと、「東」と「福」の一字ずつを頂き、京都にて最高かつ最強の寺院を造ろうとしたのが、ここ「東福寺」なのです。

…どうですか、この発想。
まるでマクミトンの「アトールⅤ」みたいですよ。  (※エルガイム)
ちょっと頭弱そうですよね。…あ、うそうそ。

この建立した張本人、「九条道家」って人は鎌倉幕府の四代将軍「藤原頼経(※)」の父で、天皇家にも幕府にも顔が利いたという大変な実力者なのです。
鎌倉幕府の四代将軍の名前なんて聞かないでしょ?

そりゃー予算も贅沢につかえたんでしょう。迷惑な話ですよ。
でね、すごいのは↓ここからです。ぜひ、年号を見ながらお楽しみ下さいませ。

嘉禎二年(1236)
工事を開始。
   ・
   ・
寛元元年(1243)
開始からもう七年後。出来上がったのは一部の堂塔のみで、いまだ完成しておりません(笑)
この頃に建立途中ながら、国内に名声が及ぶという名僧「聖一国師こと「円爾弁円(えんにべんえん)」を開山に招いております。

建長七年(1255)
開始からなんと十九年もの歳月を経て、ついに「東福寺」は完成に至りました。
なお、寺のメインとなるべき高さ約十五メートルという大仏なんですが…。

元応元年(1319)
完成から六十年あまりが過ぎた頃、なんと火災発生!
なんと、これによって五丈という巨大な本尊「釈迦如来像」は焼失してしまうのです!!
この頃はちょうど後醍醐天皇(第九十六代)が即位しております。時代も波乱含みでした。

建武元年(1334)
再び火災発生。多くの堂塔を焼失。
ちなみに、この一年前の元弘三年(1333)には鎌倉幕府と新田義貞が戦う「分倍河原合戦」がありました。時代が変わろうとしている頃なんですよ。

延元元年(1336)
三度目となる大火災発生。多くの堂塔を焼失。
ちょうどこの年には、九州は福岡付近にて足利尊氏と菊池武敏が「多々良浜」にて激突。ここで菊池勢を破った尊氏勢力を完全に回復し、攻め上って摂津国での「湊川合戦」にて楠正成を破っているのです。

さて、合戦話はおいといて、幾度もの天災に見舞われた東福寺。しかし、延元の火災のあった四ヵ月後には早くも復旧。
九条道家が想像したであろう、大伽藍の並ぶ壮大な禅宗寺院となっていました。
ちなみに、建武の火災前には京都五山(第四位) にも列せられています。

その後、本尊である約十五メートルの釈迦如来像は室町時代頃になってようやく再興。左右に従える観音菩薩、弥勒菩薩も共に約八メートルという巨大さで、「新大仏寺」という別名にて、時の権力者足利・豊臣・徳川の庇護を受け、珍しく兵火にもあわずに過ごすのです。

しかし、これがまた明治十四年(1881)の大火災によって、大仏ほか仏殿などことごとくを焼失してしまうのでした。
ああ、なんてこったい!
しかし、元々巨大な寺院で、歴史が古い文化財を多数所有する寺院です。
色々ありますんで、ぜひ足を運んでみてはいかがでしょうか?



(※)藤原頼経(ふじわらよりつね)
鎌倉幕府の四代将軍です。ほんとです(笑)
だーれも知らない、知られちゃいけーない~♪ (←知られちゃいけないことはないですが)
…という訳で、①合戦下手な「源頼朝」②頼朝の嫡男で暗殺された「源頼家」③頼朝の三男で頼家の子に襲われて死んだ「源実朝」、の次ですよ。
九条道家の三男で、北条家の傀儡将軍・第一号です。


[住所] 東福寺 京都市東山区本町15丁目778

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※もしかしたら、奈良大仏・鎌倉大仏・京都大仏…なんてなったのかもしれませんね。
 ああ…もったいないなぁ。

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7 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
いいですねー (あおぶひでる)
2007-08-28 01:04:26
ゆうこさん、コメントありがとうございます。
京都にお住まいなんですか、うらやましいです。
私もいつかは戻りたいと思っております。

サイト見ました。
記事詳細で写真も多く綺麗なサイトですねー。
「マンガミュージアム」にも行ってみたいですよ。
返信する
はじめまして (ゆうこ)
2007-08-27 13:40:40
はじめまして。
「はぴeファンブログ」のゆうこと申します。
「はぴeファンブログ」では、「オール電化」を楽しんでいる主婦が関西地区のお出かけ情報・グルメ情報を楽しく紹介しております。
私もこの間東福寺さん記事をUPしたのですよ。同じ東福寺さんの記事ということでTBさせていただきましたので宜しくお願い致します。
宜しければ私たちのブログにも遊びにきてくださいね。
返信する
すみません、訂正です (ひでる)
2006-07-31 22:50:23
すみません、記憶でぱぱっとコメント書きましたが、上記文面で誤りがありましたのでここで訂正いたします。



■誤

4)資料を受け取ったアエラ記者(でた!アサヒ系列)が手帳に貼り付けたらしい。



■正

・靖国神社についての発言メモは88年4月28日付けで、手帳に張り付けてあった。(日本経済新聞)



・昨年秋ごろ、日経新聞記者が久しぶりにやって来た。懐かしさも手伝って、一周忌のCD‐ROMを見せ、日記の現物と自分も読んだ事がない『輪ゴムのメモ』を手渡したという。今回の昭和天皇の発言はこの中にあった。(アエラの記事)



※極右評論より引用



…どちらが正しいのかな、という話でした。

シュバルツカッツェさん、コメント読んで「そうなんかー」と思った皆様、すみませんでした。



記憶はあてにならないものですね。



返信する
博識じゃないですよー (ひでる)
2006-07-29 00:44:19
いや、ブログ見て回っているだけですから、まだ全然わかってません。



そうなんですよ。

今回のことで、結局ある程度の国民にはなんとなしに「あーやっぱり靖国行かないほうがいいんだー」なんて感覚を植え付けられてしまいました。



昨日も書きましたが、近頃の情報操作ぶりは非常に恐怖を感じます。

誰がどんな利を得るのか、ジョンカーペンターの「ゼイリブ」みたいに、抵抗する意思をそがれようとしているのか、できるなら詳しく調べてみたいとこですね。



戦後の日本も、こうして骨抜きにされていったのでしょうか?



ちなみに今日、ウィキペディア辞書で「東條英機」の項目を調べたら、とても素晴らしい遺言を残されていたことを知りました。



実によい文ですんで、近日中にこちらでも取り上げたいと思いますよー。

(※思わず本買っちゃいました)



返信する
「陛下のメモ」 (シュバルツカッツェ)
2006-07-28 23:51:26
こんばんは~。ひでるさんの博識さに脱帽です。そこらの知識人と評される人々より数段判りやすです、素晴らしい。スゴク勉強になりますよぉ。



意外なほどその後取りざたされなくなりましたね。



ようするに・・・「A級戦犯合祀」反対者の

陰謀または狂言なのでしょうか?



「陛下が反対されていたのだから今すぐ分けろ」と言う意図を感じます。



偶然にも今夜[朝まで生テレビ]でその議題を討論するようですから、じっくり見てみたいと思います。
返信する
ありがとうございます (ひでる)
2006-07-28 01:20:52
ご無沙汰です!



そうなんですよ、陛下のメモはどうやら作為的なものであるようです。

あちこちの専門ブログによると…



1)当初メモは20~30枚の束で、手帳とは別に輪ゴムでくくられていた。

2)問題の文面がある紙は4枚目。

3)前後の文を見ると、やはり「徳川義寛」氏の発言をメモしたものであるらしい。

4)資料を受け取ったアエラ記者(でた!アサヒ系列)が手帳に貼り付けたらしい。



…要するに、手帳もメモも実際のものであるんですが、さも「陛下のご意思である」と見せかけた輩がいるということ。



つい先日のTBSによる安倍幹事長へのおかしな報道や、陛下に関するキナ臭い資料がまた見つかるなど、情報操作しようとしているなんらかの勢力がいるのではないか、と本気で疑ってしまいます。



確かにデリケートな問題ではありますが、あれだけしつっこいマスコミがこぞって真相追求しないのも変。

ここぞとばかりに陛下を盾にとって靖国反対する、古賀・山崎・民主小沢、らも揃って変。



靖国の存在だけが”特定アジア”との問題になってる訳がないし、それがために交渉しない態度は国として変。



おかしなことだらけですよ。

返信する
Unknown (シュバルツカッツェ)
2006-07-27 04:48:21
御無沙汰しておりました。

東福寺は好きなお寺でして、今回のお話もとても興味深く拝見しました。



「陛下のメモ」も興味津々です!

ひでるさんの御意見とても賛同できます。

そもそもどうしてマスコミはこう同じ方向からの報道に偏るのでしょう?

今はとても左翼的(それもかなり変形した)に感じます。
返信する