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時代の傑物「後鳥羽上皇」の野望 (承久の乱)2

2008年07月27日 | 歴史
のんびり気軽にさんぽがてら。
さて、いきなりですが…日本の歴史では、何度か”天下分け目”という、覇権を争う大決戦がありました。
過去より国内を支配し続けてきた朝廷。
そして、新たな武士の時代を切り開いた幕府。
それら勢力が直接対決するという、大事件があったのです。
…と、そんなこんなで、”直接対決!鎌倉幕府vs朝廷”という歴史の大事件「承久の乱」をお送りしております。


正治元年(1199)
「源頼朝」の死後。
嫡男「源頼家」はわずか五年後という元久元年(1204)に暗殺。
続いて三代将軍「源実朝」も建保七年(1219)に暗殺されてしまうのでした。
こうして源氏の直系はわずか三代で終わり、鎌倉幕府は大いに揺らいでしまうのです。
…↓こんな感じ。


■おまけ: 源頼朝・周辺系図 (※↓:子、-:兄弟、数値は征夷大将軍)

頼信(河内源氏)
 ↓
頼義
 ↓
義家(八幡太郎)-義綱-義光
 ↓
義親---義国---義隆
 ↓      ↓
為義    義重(新田)-義康(足利)
 ↓
義朝---義賢-義憲-頼賢-為朝-行家
 ↓      ↓
 ↓   4義仲(木曾)
 ↓
義平-朝長-5頼朝-希義-範頼-全成-義円-義経
           ↓
         6頼家-7実朝
           ↓
     一幡-公暁-栄実-禅暁


三代にして後継ぎ不在となってしまった将軍の座。
困った幕府は、”「後鳥羽上皇(ごとば・じょうこう)」の皇子をもらい、新将軍にしたい”と朝廷へ申し入れるのでした。
しかし、これは上皇に難問を突き付けられるなどして、阻止されております。

幕府からの申し出を許さなかった「後鳥羽上皇」は、三代「源実朝」の死を聞いて喜悦したと言われておりました
やらしいおっちゃんです。
彼は当初より、幕府打倒について模索していたようなのでした。

さて、当時の朝廷を支配していたのが、そちらの第八十二代「後鳥羽上皇」でした。
退位後も上皇として政権を握り続け、離宮を造営して「新古今和歌集」を編纂するなど特に力を入れていた和歌のほか、蹴鞠、琵琶、双六、相撲…などに熱中する、多芸で風雅な方でした。

そんな一方で、珍しく武芸にも興味を示しており、刀剣ほか流鏑馬(やぶさめ)、笠懸(かさがけ)、狩猟、とこちらでも色々興味をしめしていた「後鳥羽上皇」
なんと、自ら盗賊を捕縛したという伝承さえ残っている、時代の傑物だったのですね。
ただ、それがため、後になって大きな失敗をすることとなるんですが…。


さて、前述しているように、成立した「鎌倉幕府」の支配は東国が中心でした。
西日本はもともと平氏の勢力基盤だったこともあり、まだ幕府の支配が浸透していなかったのです。
(※これは独立心の強い関東勢が幕府を鎌倉に据えての独立・結束を最優先とし、あえて西国へは力を伸ばさなかったという事情もあるようです。なお、「源頼朝」は娘「大姫」を入内させようと計画しておりましたが、これは失敗しています)
そのため、西国については、幕府の成立後もまだ朝廷の支配下という色が強かったのでした。
東の鎌倉幕府、西の朝廷というように、当時の天下は二分されたような形勢だったのです

相次ぐ将軍の死亡・暗殺という情勢から、「後鳥羽上皇」は幕府が弱体化していると考えました。
そのため、後継ぎに困っていた幕府を助けるのではなく、逆に討伐には絶好の好機だと判断したのです。
かねてからの望みであった皇権の回復を賭け、「後鳥羽上皇」は次第に討幕を計画するようになったのでした。

なお、「承久記」には、「後鳥羽上皇」の寵愛する白拍子「亀菊(伊賀の局)」に与えた摂津国長江庄を、領有していた御家人「北条義時」が手放さなかったのが直接原因であると、ゴシップ記事のようなことが書かれています。
実際「後鳥羽上皇」がこの地の地頭の廃止を命じたことで幕府と揉めていたこともあったようなのですが、そうした領土問題も原因としてあったのでしょう。

⇒つづく。
 次回は「朝廷勢挙兵・動揺する御家人」(3/6)


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