お寺さんぽ Ver.03

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夜叉 (京都・東寺)

2006年05月03日 | 仏像
のんびり気軽にさんぽがてら。
本日は東寺とか六波羅蜜寺で見られる「夜叉」です。

なんでいきなりこんな方(…失礼な!)を紹介するかというと、単に明日のネタに備えてのことなんですね。当初は同時に書いていたんですが、えらく長くなってしまうので分割してお届けしております。

とりあえず「夜叉」という単語はなんとなく聞き覚えのある方多いでしょう。
ひでるさんと同時期にPCをやっていた方なら、ウルフチームの和風アクションゲーム「YAKSA (ヤシャ)」を思い出すことでしょう。おそらく。
違う?知らない?
最近の漫画好きなヤングだと荻野真センセの「夜叉鴉」ですか?
…ああ、貫一・お宮で蹴っ飛ばすシーンがメチャ有名な「金色夜叉」ですか。なるほど、今あげた三点ではこれが一番有名ですかね。
えっと、高峰三枝子?山本富士子?あんまりよく知らないですが。

本当の「夜叉」っていうのは、古代インドで悪鬼の一種でした。しかし、例によって仏教に取り込まれると心洗われ、なんと神様になりました。
「異形をもって世のために畏をなす」
…って、この方は明王と似たようなことを言ってます。
力ずくで人の考えを「仏様サイコー!仏教万歳!」にしてしまう、八九三ちっくなのが明王ですが、この方は世の中のために敢えて悪人なふりをしているようです。そうですね、キラーカーンみたいな感じでしょう。(←ちがうか)

梵名は「ヤクシャ」です。芝居やらせたら竹内力みたいに大成しそうですが、これで薬叉(やくしゃ)、あるいは夜叉と音号するそうです。
基本的には四天王でお馴染みの毘沙門天(多門天)の眷属なんですが、ほかに八部衆の一人としてひょっこりいたり、薬師さまの眷属として十二夜叉大将を構成したり、大般若教を守護する十六善神となったり…と大忙しで、実に引っ張りだこな方なんです。使いっ走りです。芝居なんてやってる暇はありません(笑)

忙しい下っ端らしく、過去に東寺では南大門の左右に安置されていたようですが、これが旅人にいたずらするので中門へ移動したそうな。(東寺「東宝記」より)
えっと門番という仕事が気に入らなかったんでしょうか?
見事配置換えを勝ち取った夜叉さまですが、嫌な役目だからって他人にあたるのはやめてほしいですね。
…って、本当に改心したのか!?

冗談はおいといて、上の例にもあるように基本的には寺院を守護する伽藍神(※)としての役割だったようです。
見分け方は…それっぽい像、ということで。固有の形態はたぶんないと思いますが、ひでるさん見たイメージでは髪の毛逆立ってる方ですかね。手も目も普通の数でここにも特徴はない…と思います。
先にあげた各チームの一人として存在するほか、単独での信仰もあり、東寺や清水寺、六波羅蜜寺などで見られますよん。


(※)伽藍神(がらんしん)寺院の主な建物の守護神。みたいな感じ。
   ちなみに、今回写真は京都の教王護国寺こと東寺です。

[住所] 東寺 京都府京都市南区九条町1


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※と、いう訳でこれは「金色夜叉」

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