自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

地域ミュージアムで考える(67)

2017-08-09 | 随想

今日8月9日は,ミュージアムの夏企画『竹紙を漉いて立体作品を作ろう』の一日目でした。3回シリーズの一回目です。参加者はミュージアムの情報を見て応募された3家族。夏休みの自由研究テーマとしても活用できます。

竹紙の材料はもちろん竹繊維で,実際に竹のからだから取り出したもの。硬い竹の茎から取り出すのです。といっても,頭をひねって簡単な方法で!

じつは,タケノコシーズンにその手を打っていたのですが,今年の梅雨期は雨が少なくて,計算どおりにいきませんでした。それで,先日,竹藪で腐った竹を採取してきたのです。それが下の写真の竹。立ったまま枯れて黒くなっています。これはなんらかの事情で黒色腐朽菌に分解されたことによります。腐朽菌は文字どおり朽ちさせる菌という意味です。菌の力により,竹のからだは基本的には分解されています。

ところが,とくべつに丈夫なセルロースだけはしっかり残っているのです。それだけ竹のセルロース繊維は強靭だということです。それを取り出すだけ。種明かしは以上です。じつに簡単な話でしょ?

下写真はセルロース繊維を取り出しているところです。

 

これを煮ること,6時間。当然アルカリ剤が要りますから,それにはセスキ炭酸ソーダを使用しました。ご家族ははじめの工程に参加されただけ。単調な作業にずっと付き合っていただくわけにもいきません。

 

6時間煮ると,ずいぶんしなやかになりました。「これはいい感じ!」という線に達したのです。ガスを止めました。煮たセルロース繊維をこのまま次回まで保管します。

 

 


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