自然となかよしおじさんの “ごった煮記”

風を聴き 水に触れ 土を匂う

夏! 虫の目写真シリーズ(29) ~ジャンボタニシの卵~

2020-08-25 | 生物

これは水田の厄介者“スクミリンゴガイ”が産み付けた卵塊。このタニシはジャンボタニシとも呼ばれています。名前にタニシが付くものの,在来種とはまったく縁のない貝のなかまです。タニシのなかまは卵胎生でお腹の中で赤ちゃんを孵化させて産むのに対し,これは明らかな卵生。

資料によればスクミリンゴガイは南アメリカ産。1981年,業者が食用にと導入して養殖を開始。しかし採算が合わず廃業する業者が増えて,捨てられたり逃げたりして野生化。結果,今では困った,イネの天敵になっているのです。なにしろ,イネを食べるのですから。これが水路にまで分布を広げ,さらに田舎にも棲みつくようになったというわけです。限られた地点で目に余る状態なので,たぶんだれかが除草目的で導入したのでしょう。こんな調子でだれかが興味本位にあちこちで水辺に投げ込んでしまったら,もう手に負えなくなります。

この水溜まりは,ふつうこんな貝が見られるところではありません。だれかの軽率な行為が招いた結果と思われます。

 

卵は水路の壁にも,コンクリ―トにも。乾燥に滅法強いのです。

 

色はどうやら警告色で,鳥も口にしようとしないとか。

ところで,そんなユニークなものなら孵化を見たいものだと思い,コップに入れて観察することにしました。産卵から10日で孵化するそうです。いずれ報告しましょう。しかし,人間の身勝手さが生態系を壊すというのは往々にしてある事象です。困った,困った。

 


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