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web日記 日替わりするは 気分だけ

「シルヴィ・ギエム 最後のボレロ」

2005-11-27 02:43:59 | あしあと:出かけた場所
11月26日 川口リリアホール

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いつも暇でいるくせに、なぜだか興味をそそるお誘いが重なる日というのがある。
今日はそういう日だった。
でも、先着順。
万難を排して遠路はるばる川口にゆく。

観客のほとんどは最後20分のギエムのためだけに来ている。
なぜ「ボレロ」を封印してしまうのか知らないけど、新しい分野に向かっていきたいときには、はまり役は重荷なんだろう。

シルヴィ・ギエムってでかい。
そういえば、ずいぶん前に「セサミストリート」に彼女が出たとき、ビッグバードにひけをとっていなかった。
永遠にのびる手足。5cmでいいから私に分けて。
いやいや、体だけでなく、放たれている気のストレートな感じとかも破格にでかかった。
だから、古典だって上手だろうけど(見たことないの)、なかなか収まんないだろうな。
本当、何十年に出るか出ないかのスターなんだわ。納得。

「two」という小品がすごくよかった。
2m程度の枠の中、ぜんぜんブレないでめちゃめちゃシャープでスピーディーだった。
「ボレロ」はもはや古典なんだよ。
照明が暗くて、顔がほとんど見えなかったので、ファンサービス的にはどうよ、って気もするけど、きっと彼女はこれからこういう踊りをもっとやりたいんでしょうね。大賛成。
全身バネみたいな体と意志の強さと中性的な風貌が、無機質で記号的なコンテンポラリーダンスにはとっても似合ってる。

「ボレロ」はいろんなダンサーのを見たけど、やっぱり抜群に素晴らしいので、ほんと、辞めちゃうの惜しいわあ。。
彼女でなければできないような振付けのバリエーションがあって、当たり前だけど、こなしてる感じだった。こなしてる、っていうのは踊りに負けてない、っていう意味で。
「ボレロ」(のメロディを舞う人)って、テクニックとかテンション以上の何かがないと負けてしまうぐらい強いというか、踊り手の業というか生命力というか、そういう大きなものまで食ってしまう踊りな気がする。
ジョルジュ・ドンが早死にしたのだって、本当は「ボレロ」に連れていかれちゃったのかも・・・
新しいコトをやりたい、というのだけでなくもしかしたら、そこらへんをシルヴィ・ギエムも予感したのかしら、、なんて。

同時にジョルジュ・ドンのボレロを思い出してしまった私。
学生時代、生で見たけど全然好きになれなくって、なんでみんながいいと言うのかまったく理解できなかったけど、今日、突然腑に落ちてしまった。
もともと女性ダンサーの為に振りつけられた曲だけど、やっぱり、「ボレロ」に最も愛されたダンサーはあの人かもね。

・・・って、今日の主役はギエム様であった。かっこよかった。



非凡なる記号であらめ冬銀河


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