三味線弾きの日常。

おもに津軽三味線弾き唄い。
ときどき地歌・上方唄。こっそり義太夫三味線。
三味の音を一人でも多くの人に届けたい。

曲の背景を知って演奏するということ。

2020年11月19日 | 三味線のはなし
学生の頃、いちばん好きだったのは
実は声楽の授業で、
最終的にはプッチーニのアリアを歌ったりしてました。

当時、大学には声楽の先生が2人いらっしゃって、
私は1回生の時からバリトンのM先生のレッスンを受けてました。
先生は、本当に本当に歌を愛していらっしゃって、
レッスン中にも歌い始めたら止まらない感じで
歌うことの喜びがダイレクトに伝わってくる、ステキな紳士でした。
これはアレか、声楽の授業じゃなくて
先生が好きだった、ってやつか。笑

先生のレッスンは、とにかく歌うこと、
言葉を大切に、音楽の流れを感じること、
そういうレッスンでした。
歌はあらゆる音楽の基本だと思うので、
先生のレッスンを通して学んだことは
ピアノを弾くときも三味線を弾くときも
変わらずに自分のベースにあると思っています。

先生は私のピアノ伴奏も高く買ってくださっていて
退官の年の卒業演奏会で学生の合唱を指揮されたときには
伴奏者のご指名を頂戴しました。
(その頃にはすっかり三味線を弾く人だったのに!)
伴奏するときは、歌う人の呼吸を感じること、
一緒に歌う気持ちになること、
そんなことを考えながら弾いていたのですが、
もう一人の声楽のアルトのS先生のレッスンでは、
伴奏パートの意味、歌とは別に伴奏のフレーズが表現しているものを
考えるように指導されました。

私は西洋クラシック音楽にはハマり切れずにいて、
音楽史的な知識とか、西洋音楽のイディオムに関しては
まったくの無知で、知ろうという態度も持ってなかった。
M先生のレッスンでは、そういう楽曲の背景のようなものを
あまり掘り下げていくことはなかったのだけど、
S先生のレッスンでは容赦なく考えさせられて
ちょっとしたカルチャーショックを受けたものでした。

そういう、ただ演奏するだけじゃない、
知識や教養が求められる部分というのは
クラシックだけじゃなく、三味線にもあるのだなと
また今頃思ったりして。
演奏家は研究者ではないので
アカデミックである必要はないけれど、
楽曲の背景、時代的なこととか
もっとシンプルに歌詞内容だとか、
知って演奏するのと、知らないのとでは
表現が変わったりしますよね。

ってなことを今日も学び、反省し、
精進を誓うのであります。


 椿紅静月×松浪千静×豊澤住静
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►演奏予定
 11月20日(金) 三味線三昧@京都・天Q
 11月28日(土) 津軽三味線LIVE@長瀬・レモンハート
 11月29日(日) 猫と蛇@難波屋
 詳しくはこちら
►演奏依頼 承ります
 ステージイベント、パーティ、ブライダル、レクチャーコンサート、
 ワークショップなど、三味線出張演奏いたします。
 小さな会場でも、ご予算が少なくても大丈夫。
 ブッキングライブ、コラボレーションなども歓迎。
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