前半39分、1トップに起用された本田圭佑(24=CSKAモスクワ)が左足で先制ゴール。“不屈のライオン”の異名を持つアフリカの強豪を下し、自国開催以外のW杯で念願の初勝利をマークした。日本は19日の1次リーグ第2戦でFIFAランク4位で優勝候補のオランダと対戦する。
終盤に相手との接触プレーで流血した唇から、本田らしい喜びの言葉が飛び出した。「(岡田監督からは)“点を決めろ”とシンプルな指示でした。昨日(13日)は誕生日でしたし、ま、(運を)持ってるなってことで」。ニヤリと笑った24歳の若武者が、日本に歓喜の瞬間をもたらした。
前半39分だ。松井が上げた右からのクロス。ゴール前で相手と競り合った大久保の背後で、本田が牙をむく。得意の左足でトラップしてから落ち着いて再び左足でゴール。最初の決定機をものにした本田は歓喜に沸くベンチにジャンプして飛び込むと、チームメートたちにもみくちゃにされながら喜びを爆発させた。
「(得点は)ボールが良かった。足元に止めて、決めるだけ。最近外すことが多かったけど、本番でゴールができて良かった。これでいい雰囲気でオランダ戦にいける」
W杯は雪辱の舞台だ。3戦全敗で北京五輪を終えた08年8月13日、オランダ戦後のロッカールーム。岡崎、長友らが悔しさをかみしめ、涙を流す選手もいる中、静寂を破ったのが本田だった。「この思いは絶対に忘れたらあかん。2年後に借りを返そう」。オランダ戦は自らの与えたPKを決められて、0―1で敗戦。誰よりも責任を感じていたが、下は向かなかった。
VVVフェンロ(オランダ)では08~09年シーズンに2部リーグでMVPを獲得し、今年1月にはCSKAモスクワ(ロシア)に移籍して欧州CLも経験。北京の屈辱をバネにステップアップを続け、A代表の中心として世界舞台に戻ってきた。岡田監督は「W杯4強」の目標を掲げているが、本田は「優勝を目指してもいいと思う」と目標を優勝に設定。スタジアムで観戦した北京五輪代表の反町康治監督(現湘南監督)にも成長した姿を見せた。
【スポーツニッポン】
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