尼崎城は、江戸時代初期に尼崎藩主・戸田氏鉄(うじかね)が築いた城で、明治時代の廃城令により取り壊された。市制100周年を迎えた2016年、市発祥の旧ミドリ電化創業者・安保詮(あぼ・あきら)さんが「再建」し、市に寄贈すると発表。当時の場所から北西に約300メートル離れた同公園内で、当時の本丸の約4分の1サイズで建設が進み、2018年の完成を目指している。
市では、一人でも多くの人たちに参画してもらうことで親しみと誇りを抱いてもらおうと、5月から「一枚瓦寄付」を募集。実際に使用する瓦の裏面に自身で名前やメッセージを残せるよう、4回にわたって記名会を開催する。
第1回となる今回は、5月19日~8月13日に寄付した人を招待して行った。参加者は、名前と共に尼崎での思い出、尼崎城再建のお祝い、未来へのメッセージなどを思い思いに書き込んでいた。379枚分の記名が済んだという。
家族で参加した松波優子さん(43)は「尼崎に暮らして5年、『このまちに城があったんだ』とびっくり。子どもたちが大きくなったら、この瓦の裏に名前があるんだよと伝えたい」と話す。松岡美紀さん(41)は「尼崎城プロジェクト出前講座で、寄付のことを知って即応募。かつて尼崎城の本丸があった場所に建つ小・中学校に通っていたので、城が建つのがうれしい。瓦の裏に名前があると思うと、さらに親しみが湧く」と笑顔を見せる。
市外の寄付者もおり、埼玉県から始発で駆け付けた福島寛和さん(37)は「貴布禰(きふね)神社やフリーマガジン『南部再生』をきっかけに尼崎が好きになり、年4~5回ほど訪れる。5年ほど前からふるさと納税をし、今年は『一枚瓦寄付』『一口城主寄付』にした」と話す。
城内まちづくり推進課の馬場章吾さんは「当日は雨だったので、参加者が少ないのではと不安だったが、城の完成を楽しみにしている人たちの笑顔でいっぱいだった。家族のお祝いや幸せを願うメッセージ、中には天守閣からの眺めを短歌に詠んでいる人も。尼崎や城への思いをたくさんの文字やイラストで書く姿を見て、多くの人たちに愛される、思いの詰まった城にしたいと思いを強くした」と話す。「尼崎城再建というまたとない機会に、記念として瓦にメッセージを書いてほしい」と呼び掛ける。
「一枚瓦寄付」は1口3,000円で、10月16日の時点で1504口が集まっている。寄付金は内部の展示物の整備などに使う予定。2018年6月ごろまで受け付ける。
- 「孫にメッセージを書いてもらった。ここを通るたび、思い出してもらえたらうれしい」と話す60代男性も
- 幸せを願うメッセージを記した松岡さん
- 家族で1枚の瓦に思いを書き合う姿もあった
- 当日は雨だったが、市内外から寄付者が訪れた
尼崎城プロジェクト本格始動!
🏯始めて聞く廃城令だが、城の再建を祝い1枚の瓦に込める願いが叶えられる事を祈ります🏯
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