平和エッセイ

スピリチュアルな視点から平和について考える

チェルノブイリ原発事故から20年

2006年04月26日 | Weblog
今日(2006年4月26日)でチェルノブイリ原発事故から20周年です。

ウクライナ、ベラルーシ、ロシアでは、多くの人びとが今なお放射能被害に苦しんでいるようです。

札幌の野呂美加さんは、ベラルーシの子供たちを北海道に招き世話をしている方です。
以下は、毎日新聞 2006年3月15日 東京朝刊の記事です。記事が消えないうちにここに掲載しておきます。

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 ◇「愛」の力で未来を変えたい--野呂美加(のろ・みか)さん

 「子供を助けて」。母親の悲痛な叫びに突き動かされた。チェルノブイリ原発事故(86年4月)で国土が放射能汚染されたベラルーシから92年以降、甲状腺障害などに苦しむ子供たちを1~3カ月の転地療養のため北海道に招いている。その数は計552人になった。

 現地を訪れるうち、人間の生活基盤を根こそぎ破壊する原発事故のすさまじさを見せつけられた。汚染地に取り残されるのは社会的弱者たち。共同体の絆(きずな)が無残に引きちぎられていく。荒涼とした光景の中で親子の愛の力が光を放っていた。「人間はどんな悲惨な状況でも愛の力を失わない。みんな深い所でつながり合っている」。そう思えた時「自他を分けられなくなった」自分がいた。北海道内に共感が広がり、里親やスタッフなど年間延べ約3000人が何らかの形で活動を支える。

 20日には、茨城県の劇団「曼珠沙華(まんじゅうしゃか)」を率い、2回目の慰問公演へ出発する。前回の99年は16カ所を回り、約1万人から熱烈に歓迎された。「生活の厳しさで笑うことを忘れた人々に元気を届けたい」。約2週間にわたり、首都ミンスクや同原発から約30キロ圏のブラーギンなどで計16公演を予定している。

 事故から20年。高濃度汚染に苦しむ人々をよそに原発は止まらない。「人間は放射能を管理できない。なぜそれに気づかないのか」。見たくないものに目をつぶり、目先の経済を優先させる社会への怒りをベラルーシの人々の涙がかき立てる。<文・山田寿彦/写真・宮本明登>

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 ■人物略歴

 札幌市のNPO法人「チェルノブイリへのかけはし」代表。被ばくした子供たちを保養に招く。北海道釧路市出身の42歳。家族は夫と高1の長女。

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