駄楽器駄日記(ドラム、パーカッション)

ロッキンローラーの打楽器日記

トラウマ

2005年11月30日 | 駄日記
今日も寒かったなあ。。。
北風小僧がやってきたねえ。
シリアスなネタで恐縮であるが、このシーズンになると必ず嫌なことを思い出すのだ。
このシーズン、朝夕が暗く木枯らしが吹き始め、コートが恋しくなる年末の「火の用心」シーズンが来ると、脳裏に幼少の頃の心の傷が疼くのだ。

小学校4年生のことである。
当時オレはクラス1のお調子小僧だった。
悪ガキとは違い、鼻水は垂らしていなかったし、勉強もスポーツも優等生だった。
ただ、ギャグが好きだった。授業中にボケをかまし、先生に突っ込ませて教室の笑いを取るというのがいつものパターンだった。
例えば、道徳の時間に先生が、
「みんな親の手伝いをしているか?中には横着な奴もいるからなー」と言えば、黙っていられずに
「先生!おおちゃ君(太田君)はおうちゃくん(横着)ですか?」(オレの苗字は太田である)とすかさず手を挙げ、生徒の笑いの反応を確認せずにはいられなかった。
11歳にして、オレは何を目指していたのだろう・・・・
そんなバカ小僧だったオレが初めて人間不信に陥ったのは、明日の授業でやりますよ、という黒板の予定表の、防火ポスターだったか防火標語の「防火」という文字が「放火」に書き間違えてあったときだった。
担任がその間違いiを見つけ、その日の当番に問いかけた。
「コラコラ、これを書いたのは誰だ?」
防火と放火とは似て非なる字だ。意味は表裏なので、当然の問いかけだ。
だが、当番は自分が間違えたのではない、誰かがいたずらして書き換えたと言い張った。
そこで、担任が犯人探しを始めた。
下校時間だったが、なぜか先生がムキになって生徒一人ひとり個別に呼んで、誰がいたずらしたのかを聴取しだしたのだった。
先生は知的犯罪というレベルで犯人探しをしたのだが、当時、30人程度のクラスで知的犯罪ができる奴はそうはいなかったと思う。
お調子者で知的犯罪をした奴といったら、オレしかいなかった。
学友たちはオレが怪しいと先生の尋問に答えたらしい。
案の定、先生は言った。この言葉だけは一生忘れない。
そして忘れられない当時の先生の顔、言葉のニュアンス、教室の皆の冷え切った顔、顔、顔。
「犯人は太田だ!」
先生は確かにゲームを楽しんでいた。そんな顔だった。今でも絵にできる。

一方オレは死ぬほどショックだった。
信じていた先生に疑われ、皆の前で犯人にされて、仲間に裏切られた。
いつもチャラチャラしていたオレだったが、傷ついた。大泣きした。心底辛かった。
泣きじゃくりながら言った。
「僕じゃないもん、いたずらしてないもん!」
神聖なる判決が下った後は、こんな叫び声は誰の元にも届かなかった。
そして先生を心から憎んだ。二度とその先生に心を開くことはなかった。
こんなのは、当番が誤字でした、で済む筈だった。
オレは今でも当番の誤字だったと思っている。
考えなくても、そうに決まっていた。字づら、タイミング、教室でそんなギャグは誰も理解しないという点、どこをどう考えてもオレにとっては全くの冤罪だった。

死ぬほど憎んだ先生の名前も、その立派な彼の家の場所も忘れていないが、今となっては何の恨みも憎しみもない。こんな屁みたいな事件を覚えているのはオレだけだろうし、文章にしたのも今回が初めてだ。
それ以来、オレはオチャラケをやめて内向的な性格になっただけのことだ。
でも、寒くなると、この中年男の心に北風が吹いてしまうのだ。
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