駄楽器駄日記(ドラム、パーカッション)

ロッキンローラーの打楽器日記

音量問題について

2012年09月28日 | ブログでレッスン
大きなテーマになるんだけれど。
ドラマーにとって、いや、ドラムに限らず、あらゆる演奏者にとって音量の問題というのは重大であります。
どのくらい重大なのかと言うと、大げさな言い方をすれば、ニッポンにとっての領土問題くらいの大きさでありまして、そりゃもう国家の主権にかかわる大問題と同じなワケであります。
ちっちゃな言い方をすると、オトーサンが唯一楽しみにしてる晩酌を、いくら財政が厳しいからってオカーチャンの力関係で禁じてしまうというような、酒権問題とでも言いますか。。。
むむ~イマイチだなあ。

まあとにかく、どんな演奏者にとっても、表現力としての音量操作の占める割合は大きいわけです。
速く手が動くとか上手に演奏できるという技術力と同時に、ダイナミクスという表現力が大事です。
なお且つ、それが演奏ジャンル、会場、観客など、TPO(時・場所・場合)によって異なる点が難しいということであります。
とりわけ、究極のアコースティックである打楽器奏者は、力加減がそのまま表現されてしまうわけですからね。
バンドの中において、ドラムの音量が周りの電気楽器の音量を決めてしまう傾向がありますが、練習スタジオなんかではさほど問題視されなかったりします。
そこには観客もいないし、口うるさいお店のマネージャーもいませんから。
でかい音で叩けば気持ちがいい。
ギターもフルテンで歪ませると気持ちがいいしね。
ベースだって、腹に響く低音が心地いい。
練習の曲をやる前に、ツェッペリンやパープルの名曲のフレーズでしばし遊んじゃって、「えへへ、さあ、始めるか」みたいなことってよくあるじゃん。
気持ちがいいからやってるんだよね。
でも、練習スタジオだからできるんであって、いったんスタジオを出てお客さんを前に演奏をするとなると、気持ちのいい音量じゃマズい場合が多い。
きちんとした設備のロック系ライブハウスならともかく、キャバレーや小さなバー、会議室や宴会場やらといろんなハコ(場所)があり、老若男女いろんなお客様がいます。
ギャランティが発生しようがボランティアだろうが、人前で演奏する場合は、完全に迎合主義にならなきゃいかんわけです。
気持ちがよくないのに演奏する必要があるのかというジレンマですね。。。

ツェッペリンの名前が出ましたが、ジョン・ボーナムが売れる前、あちこちのハコバンで「喧しくて使えん」ということで首になったというのは有名な話。
あの、ハードロックの「神」のボンゾが、実は音がでかいだけの木偶の坊だったのか?
想像だけど、きっとテクニック的には凄かったはずなんだけど、TPOが適っていなかったんだと思う。
まあそれでも我が道を貫いて、ボンゾは結果的にツェッペリンというスーパーバンドで身を立てたんだからやっぱり凄いと言うほかないんだけど。

10数年前に、どこかのホールでの体験談があります。
エレキバンドのコンサートに、地元の名士と言われる尺八の先生がゲスト出演して、バンドとコラボ演奏しました。
民謡をアレンジした曲で、尺八でアドリブを吹いていただくというコンセプトだったのですが、多忙な先生ということでリハがちゃんとできていなかったらしく、本番で大コケ。
尺八の音が何にも聞こえない。
ボーカルマイクで拾ってはいても、尺八の音量とバンドの音量が違いすぎて、観客は音が聞こえず先生の首を振る姿だけを観ていたという話。
ボーカルだったらマイクに向かって歌うから拾えるんだけど、尺八って音の出る場所がよく分からずに、シュアの58を立てて拾い切れなかったようですが、バンド側の音量も調節しなかったという点が失敗だったと思った次第。

しかし、ここで大問題が。
ドラムという楽器は、アコースティックゆえに鳴るポイントというものがあり、そこを外してどうするの?という問題があるわけです。
これこそ、打楽器奏者にとっての主権問題、領土問題、酒権問題。いちいち出てくるなって。

続く。
コメント
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