駄楽器駄日記(ドラム、パーカッション)

ロッキンローラーの打楽器日記

叱咤激励

2007年06月26日 | ドラム&パーカッション
自分のドラム教室の一つのテーマは「叱咤激励」かなと思うこの頃であります。
生徒さんはそれぞれ個性が豊富で、年齢も違えば目的も違う。
毎回低年齢の少年から年配のお父さんもいらしてバラエティに富んで飽きない。しかし、少し前にお嬢さんが辞めてから、今はメンズワールドである。う~むザンネン!
年齢層はやはり中高生が多いのだけれど、20年近くやっていると、その中高生がかなり様変わりしてきているようにも思う。
よくあるパターンが、高校1年生の春にやってきた可愛い少年が、高2になって耳にピアスが付き、毎週同じジーンズや靴が、お母さん調達物から流行りもんの高そうなものに変わっていくことぐらいだ。特に、靴はスクールシューズから、いきなり2万円ぐらいの本革スニーカーに変わる瞬間があったりして、目を見張るものがある。
しかし、見た目とは別に一般的にはずっと素直で前向きで、こちらからすれば可愛いままだ。ちょっとしたことを褒めると誰もがみんなハニカミ王子になって可愛いものだ。
殆んどの場合、高三の受験シーズンに辞めていく場合が多く、それ以来教室にも来ないし、街中で出合うこともまずない。

さて、何が「叱咤激励」かといえば、申し訳ないけれど生徒さんの中には必ず伸びる子と、どうやっても伸びない子がいて、その違いは初めて会ったときに分かる、というか直感があります。
そして、見込みのある子には「叱咤激励」を、あまり見込みのなく思える子には「褒めて伸ばす」をしています。
できる子には、叱咤して、気持ちを煽ります。「お前はやればできるはずだ」ということです。でも、これは最近危険な考えかもしれません。
誰でもチヤホヤすれば、気分がいいのでそこそこ頑張って上達します。でもそんなのは張りぼての自尊心でしかありませんからすぐに次の厚い壁がやってきて、一歩も前に進まなくなってしまいます。上達すればするほど、壁は厚く、重くのしかかってきます。
そんな時は、チヤホヤしていたら甘えてきて努力を怠ります。必ず「わかんない、センセーやってみて」という言葉が出てきて、自分で思考停止してしまいます。
伸びない子は、それでいいので楽しさだけを知ってもらえればヨシとしますが、できる子は今度はここで叱ります。「自分で考えてみな」「おまえならわかる」「今のうちに苦労しておけ」「1から出直しだ」みたいな感じです。
これは一種の賭けでもあります。ついてくる子は一瞬むっとはしますが、いずれ自分で自己解決して壁を乗り切ります。そんな子は、いつかオレを勝手に乗り越えていってくれます。でも、そうでない子は次の週から来なくなります。
最近は、後者の数がやたら増えてしまっているように感じます。非常に悲しいことです。

つい先日もそんなことがありました。
自分としては叱咤激励のつもりが、本人にとっては傷付けられたと感じたのか知れません。その点は大いに反省すべきかもしれませんが、有望だな、伸ばしたいなと感じていた生徒さんがいきなり叱った翌日に辞めるというのは、悲しい限りです。
ま、これもひとつの縁だったのでしょうが。

中には、長さんふうに「ダメだこりゃ」と思える子が、2年以上経ってメキメキと腕を上げる場合もあります。そんな場合というのは、高校生になってバンドを始めて、いろいろな場所で練習したり演奏したりして、自分なりに課題や目標を見つけて、自分なり考えることができると、驚くほど上達できるものなのです。
やはり、音楽は「知識」と「基礎練習」と「現場力」が噛み合ってこそ、上達するものだと思います。
コメント
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