エルミタージュ美術館の小さな番人たち

サンクト・ペテルブルグ市にある世界三大美術館のひとつ『エルミタージュ美術館』で暮らすネコたちの様子をお届けします。

ゾロ改め、ヴラーダ

2008年10月05日 | Weblog



さて、復帰2回目のエルミタージュ訪問。今日は、いつものポイントである、冬宮と小エルミタージュの間に行くと、風船みたいに丸々したオバチャンがなにやら、ネコたちに話しかけながら、昼食をあげている最中だった。メニューは、生レバーを刻んだものとソーセージとドライフード。

「お、名前を言いながらあげてる」と気づき、すかさずメモ。分からない名前のネコは、オバチャンに訊ねる。親切に全て答えてくれた。面白いのは、これまでに撮り貯めた写真を見せると、「これはうちの子じゃないわね。この子はうちの子で、名前は○○」という風に答えている。

「え、みんなお宅の子たちでしょ?」と言うと。
「まあ、そうなんだけれど、エルミタージュでは4人の世話人がいてね、それぞれに持ち場があるのよ。それで、私はこの中庭の係りってわけ。」

へー、知らなかった・・・
4人もいるのか。ところで、こんな風に本格的なご飯時に訪れたのは、不思議なことに初めてだったかもしれない。
他のオバチャンたちは、きっと、外からは見ることのできない中庭内部でお世話をしているに違いない。それらしき人を見たこともある。




それはともかく、私が勝手に「ゾロ」と名付けていた子は、「ヴラーダ(VLADA)」という立派な名前があることが分かった。ヴラーダの正式名は、ヴラジスラフ。英語で言うと、キャサリンがキャシーと短縮されているようなもの。ロシア語では、ウラジは「征服する」という動詞の命令形、スラフ(スラヴァ)は、「栄光」を意味する名詞。二つ合わせると「栄光を征せよ」となる。転じて「栄光を征する者」という意味合いにでもなろうか。

余談ながら、ロシアの極東にウラジオストクという町(軍港)があるが、この「ウラジ」と同じである。「オストク」は正式には「ボストーク」という単語で、「東」を意味する。二つ合わせて「東方を征せよ」。かつて、まだ未開の地であった東の土地を征して、新しい町を切り開こうという願いから名付けられたものである。

そう考えると、この子は随分と立派な名前をもらったものだ。

さて、数ヶ月間、彼と出会う機会がなかったのだが、幸運にもこの日は、ヴラーダが通りに出て、遊んでいた。相変わらず活発にぴょんぴょんと跳ねるように走り回っている。きっとまだ若いネコなのだろう。小石を獲物に見立てて、飛び掛ることを繰り返している。色々なアクションをしてくれるので、写真を撮っていてもすこぶる楽しい気分になってくる。
それにしても、漆黒のマスクと真黄色の目がお洒落である。




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2 コメント

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Unknown (ちゅう)
2008-10-06 18:15:41
お帰りなさいって不思議だけど(笑)
ヴラーダってどんな意味がありますか?
素敵な名前。
それにウォッカが似合いそうな猫のご飯ですよね。
写真が素敵だからごはんもおいしそうに聞こえてしまいました。

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なるほど (てっちゃん)
2008-10-06 18:37:46
ちゅうさん、ただいまです。
なるほど、ロシア語の意味も添えると話が面白くなるかもしれませんね。
ちょっと、記事をいじってヴラーダのことを書き加えてみました。

ソーセージは・・・
「あんまり塩っ気のあるものは、あげないほうが・・・」とオバチャンに突っ込もうかと思ったのですが。でも、みんなレバーだけ食べて、ソーセージは食べていなかったから、まあ、いいかと。
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