大失態そして夫についての長い話し

先程、GYOっちゃーん、と呼ぶ声。眠りから、はっと覚める。や、や、やってしまった…鍵をかけて、寝てしまった…何度も家や携帯に電話したりしたらしいけど、例によって携帯は充電切れてるし、家の電話には気付かず…私の眠りが浅くなった頃に帰ってこよう、とコンビニやビデオ屋にいて、１時間位過ごしたそうな…

私ならブッチーンと怒りそうなこの状況下で、「ありがたいよ」とクワさん。

なにが？何がありがたいのだ？




「全力で子ども達と過ごしてくれている証拠でしょ」

とな～…

こんな風に考えてくれるクワさん。すごいなあ、と思う。

しかも、今日は！

あの、以前落ちた昇級試験に受かっためでたーい日だったのだ。

今日はクワさんの大好物ばかりのお祝いご飯を作ったのだけれど、明日は監査で帰宅は夜中になってしまって…それなのに、やっと帰ってきた家から閉め出され…それでも怒らず、「ありがたい」と言える人…

彼は前回の試験で、試験はパスしたものの、面接で、「出世は望んでない」ととられるような発言をして、落ちてしまった。

笑ってしまったのだけど、本当に望んでないこと、は知っている。
彼は真面目で、本当にバカ正直で、100の自分を101と言うことすら嫌う。100の自分を200とも300とも1000とも言う人すらいるこの、世の中で…。

もとい。彼自身、子が三人いて、奥さん使うばかりで稼ぎ少ないし（苦笑）…できたら昇級したほうがよい、のも自覚していて。（お給料のこと、とかでね）

そんなこんなで再チャレンジ。年末から面接練習。前回も聞かれた「仕事における将来のビジョン」やなんやかやの質問を私が投げる。
どうも答えがようわからんちんなので、「まずは本音を言って」と聞き出すものの、あ、本音言ったら落ちるね、というもので。（笑）


本当に真面目にこつこつ頑張る人で、それはともに6年働いたからよく知っている。（取材などで、もうちょっとアピールしてもいいのに、と思ったことは数知れず）
いまの職場の上司の方も、そのまた上の方も、彼が前回の試験で落ちたことに猛抗議をしてくださったそう。それで、急遽いろいろあって、段取ってくださったのだ。
上司の方（女性）は、前回の落ちた知らせに無念だと泣いてくださる心の熱い方だ。

今日偶然会った方にもサラリと、クワさんは本当に美味しい手の込んだラーメンを作ってくれた人、と評されていて、わかってくれる人にはわかってもらえるんだな、と感じる。

私は彼に出会った頃、今から16年も前なのだが、かなり生きているのがしんどい時期で。
当時、もっとこうなりたい、こうありたい、の塊のような人で、それは今のままではダメ、ということの裏返しでもあった。

彼に出会い、今のままで十分素晴らしい、ということをこれでもか、これでもか、と叩き込まれた。

古くからの友人に再会したとき、「向上心の塊だったあなたが向上心がなくなった」と言われたことに驚きつつ、それは確かにそうだ、と思った。

自分が大好きになり（笑）、自分を丸ごと受け入れられるようになった。向上心がない、と言われるのはやや悲しい気もするが、いや、しかし、そうなのだ。彼の叩き込みにより？、悪いところを直す、より、悪いところすらかわいく思えるようになってしまった。（これを先のママイキでは、ハッピーな勘違い、と称していた。私はまったくもって、ハッピーな勘違い野郎なのだ。）


子どものことでもそうだ。ねーねーなんとか君、もう漢字書けるんだってよ～私も別に気になるタイプでもないのだが、ちらっとそんな風な話しを振っても、ふーん、まったく興味なし。
まったく、人と比較しない。それはまったく、ぶれない。

ある時、奥さんが仕事に様々な活動に頑張る方の旦那さんから「うちは最近妻が多忙で家事の分担が増えて…お宅はさらに奥さん多忙だから、家事大変そうですね。」と振られたそうな。
「いえいえ、うちは妻が全部やっていて。」とクワさんは答え、その旦那さんが「GYOGYOさんってあんなに多忙なのに家事も全部やっているの？」と驚いた、と奥さん経由で聞く。


クワさんのことだから、本当に家事は妻が全部やっている、と思って言っているんだと思うけど、いやいや、私がしているのは洗濯と平日の夕飯作りだけだ…

自己評価が低いとかではなくて、世間と比較しないので、大いに世間とはズレているのだが、彼の中で、家事分担はまだまだ、と思っているようです。今後まだまだ期待大。（笑）

…っと…認められている、受け入れられている、愛されている、そんな思いをたっぷり親から味わったからこそ、の性質であろうクワさん…猛烈に厳しかったとはいえ、確かな愛情を注がれたのだろう…な…