洋楽な日々

洋楽を中心とした音楽の紹介。海外サッカー、格闘技等の雑文も。

生への帰還

2005-05-10 | 
 ジョージ・P・ペレケーノス「生への帰還」読了。ワシントンサーガ4部作の4作目。ピート・カラスの少年時代に始まって、その息子ディミトリ・カラスが50歳になるあたりまでの連作大河ドラマの完結編である。30後半になってもドラッグから抜け出せなかったディミトリがようやく立ち直ったかと思ったら、今度は最愛の5歳の息子が強盗事件に巻き込まれて命を落としてしまう。おまけにそれが原因で離婚。精神的にドツボに陥ったディミトリだが、旧友の紹介で厨房で働き始めて、徐々に活力を取り戻していく。
 「これ誰?」
 「ビージーズよ」
 「なんだか、このヴォーカル、誰かにタマをにぎられてるみたいな歌い方だな」
 この部分はかなり笑えたのだが、まあ、こんな具合に元気になっていくディミトリ。そんな時、息子を殺した男が再び町に舞い戻ってくることを知り、さらには自分の父がかつてギャングを皆殺しにして恩人を守ったという話を聞かされて、自らも復讐を決意する。なんか、続けて読むと4作とも同じようなパターンなのだが、面白いのだからアリである。それにこの4部作の一貫したテーマは、男としてなすべきことであり、それは良い家庭を作ることであったり、真面目に生きることであったり、店を守るために働くことであったりと、つまりは地に足をつけて生きろということである。そんな生き方をする脇役たちと、そんな生き方が出来ずに過ごしながらも、命を賭した戦いに赴くことで人生の落とし前を付けようとする主人公たち。
 そんな、男の琴線ど真ん中を衝くこのワシントンサーガ4部作。おまけに最後の一行がまた素晴らしく、感動の余韻がジワジワジワッと心に沁みて、深い満足感にどっぷり浸れる至福の読後感が味わえるのである。
 

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2 コメント

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Unknown (クラウス・ノミ&パイクマン)
2005-05-11 19:37:31
クラウス・ノミとパイクマンからお知らせです。



クラウス・ノミブーム到来で、映画ができちゃいましたが、ご存知でしたでしょうか?

URLのところにリンクを貼っておきました。



敢えてこの男らしい小説のところにコメントさせて頂きました。



失礼いたしました。。
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Unknown (hera)
2005-05-11 19:48:02
goglemanさんのところで知りました。

凄く不思議な感じです。

サイトちょろっと見ました。

BGMは懐かしの名曲トータル・エクリプス!

でも、誰がどんな目的で作ったんでしょうか、この映画。不思議だなぁ~。



なんかコメントも軍人みたいで男らしい雰囲気ですね、パイクマンさん。



男の中の男、出て来いやぁ~~~~!

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