平方録

身辺をつれずれに

立ち入り禁止、締め出し用のゲート

2017-10-25 06:37:39 | 随筆
台風21号が通り過ぎた後、ずいぶん時間が経った正午過ぎまで海沿いを走る国道134号が滑川河口から小動岬の間で通行止めになっていたから、珍しいことがあるものだなぁと思っていたのだ。
黒潮大蛇行による潮位の上昇と満潮時間帯、そして台風の余波による高波が押し寄せていたためだという。

それでも物好きなボクは太平洋の波が打ち付ける江ノ島のヨットハーバーの防波堤に行って、余波が盛大にしぶきを吹き上げるところでも眺めようと出かけたのだ。
しかし国道を左折した途端、江ノ島島内に渡る江ノ島大橋のゲートが閉じられていて、慌ててUターンしてきたのだった。
真夏、暴走族を締め出すために設けられたゲートなのだが、それ以外にも使いようがあったのだ。

従って島内に思いもよらない被害が出ていたなどと言うことは知る由もなかったのだ。
それが2日経った昨日、テレビのニュースが軒並み江ノ島のヨットハーバーの惨状を放映したのだ。
陸に引き上げられていたヨットの群れはひっくり返され、どてっ腹に穴を開けられた無残な姿で、まるでごみ屑のように何か所かに吹き寄せられている。
ここは3年後の東京オリンピックのヨット競技の拠点基地なんである。

ヨットハーバーの隣接地にあった婦人総合センターが解体され、この夏に跡地が駐車場として整備されたばかりだが、そのまだ真新しいアスファルト舗装はまるで紙のようにめくれ上がり、あるいははぎとられて地肌をさらしている。

この情報社会にあって2日間もの間、大勢の人々が暮らしている目と鼻の先で起きていたことが伝わってこなかったと言うことがボクにはショックである。
現場に近づこうとしたのに阻まれていたのだ…

われわれの暮らすこれからの世の中もきっとこうなるに違いない。
ともかく、権力者が肝心な場所につながる道のゲートを締めてしまいさえすれば、何かが起こったとしても、起こったことすら伝わってこなくなってしまうだろう。
権力者とはそもそもそういうものだが、そんなことはダメですよと権力を縛る憲法があるから、あからさまにゲート遮断が出来ないだけなのだ。

2、3年前にも特定機密保護法という法律が強引に成立させられてしまった。
これだって一部の道に出来た締め出しゲートなのだが、それでは不十分と思っているのだ。
それ以外の国民主権も平和主義も基本的人権の尊重も、あんなものは押し付け憲法だからドブに捨ててしまえという勢力が再び総選挙で3分の2を占めたんである。

その勢力の思うがままにされたんでは権力を縛るはずの道具は、あろうことか国民を縛るものに代えられてしまいかねないのだ。
何も知らないで過ごすことが幸せなのか。知らされないでぬくぬくと過ごし、ある日突然寒風の中に放り込まれてもかまわないのか。
嫌だね、まっぴら御免だね。ボクは知りたいね。途中経過も全部知ったうえで、理解できるかどうか、納得できるかどうかを自分自身で判断したいね。
だって今現在がそれに近いことができる時代なんだから。

われわれ国民は様々な法律によって既に縛られ、守るべき規則を与えられているのだ。それで十分なんである。










以上の写真は今年8月31日のもので、はるか小笠原辺りをうろついていた台風の余波が江ノ島の堤防に打ち付ける様子だが、テレビで放映された監視カメラの映像では堤防を軽々と乗り越える大波が次々に押し寄せている様子が映っていた


ダンプカーが並んでいる広い敷地が駐車場に整備されたが、アスファルト舗装は波にボロボロにされてしまった。右奥の平べったい白い屋根の建物がヨットハーバーの本部棟




片側1車線の江ノ島大橋では東浜寄りにもう1車線増やす工事が進められている


ジャンル:
ウェブログ
コメント   この記事についてブログを書く
« 青菜に塩ではあるけれど | トップ | いつの間にやら大人びてきて... »
最近の画像もっと見る

コメントを投稿

随筆」カテゴリの最新記事

関連するみんなの記事