平方録

身辺をつれずれに

バラにも〝醜いアヒルの子〟が

2017-05-21 06:18:10 | 随筆
「今がまさに一番の盛りですから、早く見に来てください」と、横浜イングリッシュガーデンの河合伸志スーパーバイザーから誘いがあった。

土曜日だし、良く晴れているし、混みあってるだろうなと思いつつ正午ごろ行ってみると、案の定ガーデン正面入り口ではチケットを求める人の長蛇の列ができている。
ボクは年間パスポートを持っているから列には加わらず、直接奥のカウンターまで進んだが、売店とレストランの客が滞留していて先に進むのに往生した。
やはり大変な賑わいである。

園内に一歩足を踏み入れても同様で、本来ならバラの中に人が点在するのが理想なんだろうけれど、人垣の中にバラが見え隠れしているというような状況である。
それでもバラが持つ圧倒的な存在感が損なわれることはないのだが、どうせならもう少し人気の少ない時に見たいものだとつくづく思う。
この時期、通常より2時間早く開門しているからその時間帯に出かけてみるとか、客足が少なくなる夕方まで待つとかした方がじっくり味わえるというものである。

太陽が昇ったばかりの早朝のバラからはバラが本来持っている香がどこにも拡散せずに残り、辺りに漂っているから、それをかぐだけでも十分意義深いことなのだ。
2500本のバラから立ち込める香の真っただ中に紛れ込み、その芳香の海に浸るというのはそうザラに味わえるものではない。
夕方も遅ければ遅いほど香りが立ってきてあたりに漂い始めるから「あれっ! 」と感じるほどで、これもまた得難いシーンなのである。

バラは確かにピークを迎えていたが、ざ~っと見て回っただけで人いきれにうんざりして早々に退散してきてしまった。
大都会の真っただ中にある人気のイングリッシュガーデンのハイシーズンに大勢の人が詰めかけるのは当然のことで、致し方ないことなのだ。

ところで河合スーパーバイザーが作り出した品種の一つを3、4年前にもらって育てているが、去年あたりから花の中央部分が花びらにならず、緑色に縮こまった出来損ないの雄しべか何かのようになってしまい、まるで〝醜いアヒルの子〟である。
どうしたことかと尋ねてみたら肥料のやり過ぎだという。

特に窒素分が過多になるとこういう現象が顔を出すんだそうである。
だから、栄養価の高い肥料は避けて、そこそこのものを適量与えるか、場合によってはそれも控えるくらいで様子を見てほしいと言われた。
バラにはたっぷり肥料を与えるものだと思っていたのだが、すべてが一律にということでもないようである。
貧しくても質素な食事でも少しも音を上げない、昔気質の日本人のような存在と言うべきか。

去年から症状が出始め、今年もほんの2、3輪を除いてこの症状が続いたので、そろそろ引っこ抜いてしまおうかと思っていたくらいだから、聞いてみてよかった。
このバラは今開かれている「全国都市緑化よこはまフェア」の成功を祈って「セント オブ ヨコハマ」と命名され、会場を飾っているそうである。
名無しだったところに名前が付けられ、緑化フェアの会場を飾っているというのは初耳だった。

銘板には「耐病性に優れ、初心者向きの品種。コンパクトな樹形でベランダ栽培にも向く」とあり、「甘いティー系の香りがする」ことから「横浜の香り」と名付けたそうである。
引っこ抜いて捨ててしまうどころか、貴重な品種として大切に育てなければ。
早まらないでよかった。









上の2枚が正常な「セント オブ ヨコハマ」。下2枚が〝醜いアヒルの子〟になってしまった状態
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