Go straight till the end!!

世界一周の旅の思い出を綴っています。
ブログタイトルは、出発前に旅日記の表紙に書いた言葉です。

(97)ブダペスト(ハンガリー)~ベオグラード(セルビア)

2010-06-19 02:02:02 | 旧ユーゴの国々
 予定としては、Sofia (ソフィア)(ブルガリア)で3月3日の解放記念日の式典を見るつもりでいた。5年前に旅した時に見たこの式典の印象が鮮烈に脳裏に残っており、また見たいと思ったからだ。

 ルート的にはルーマニア経由で行くよりも、セルビア(当時の国名はユーゴスラビア)経由で行く方が楽だった(当時ルーマニア入国にはビザが必要だったので)。



 Budapest (ブダペスト)14時発のバスに乗り込み、次の目的地 Belgrad ( Beograd )(ベオグラード)へと向かった。
 
 ここで一つ問題が起こった。国境での話だ。
 ハンガリーの出国は何ら問題なかった。しかし、セルビア側の入国審査ではなかなかOKが出なかった。
 ボスニア(ボスニア・ヘルツェゴヴィナ)の独立記念日(3月1日)前だったのも、何か影響していたのかもしれない。



 事務所の奥の部屋に通されると、映画に出てくるロシアの上級将校みたいな人物に引き合わされた。
 貫禄威厳、そして冷酷そうな目が印象に残っている(こちらの勝手な印象だが)。
 おそらく彼がここで一番偉い人物なのだろう。疑いの目で見られているからかもしれないが、随分冷たい対応をされたのは確かだ。

 ここで鞄の中身のチェックをされ、幾つか質問された。
 問題になったのは、今回でセルビア入国が3回目だということ。しかも旧ユーゴの国々をまわっているのも問題視された。
 「お前はジャーナリストだろう?」というのが先方の言い分だった(見られてはまずいものでもあるのだろうか)。

 仕事を辞めて貯金で旅をしているなんて言ったら、即刻出て行けと言われかねない。
 「違う、私は学生だ。」と、ブダペストで作ったばかりの国際学生証を見せた。この1枚のカードにすがるしかない。

 「専攻は?」
 「彫刻」(彫刻にしておいて良かった)

 実はこの時、鞄の中にはマリウスにもらった彫刻が入っていた。
 今気付いたのだが、おそらくこの彫刻作品が自分の証言を裏付けてくれたのだと思う。
 当時は必死でそこまで頭がまわらなかったのだが、本当にいろいろな人に助けられてこの旅が続けられたのだ。マリウスを含めみんなに感謝したいと思う。

 取り調べは30分以上にも及んだ。押し問答が続いたがこちらはただひたすら「私は学生だ。」と言うしかない(ドラガン・ストイコビッチ氏(現名古屋グランパスエイト監督)のファンだとも伝えた)。

 結果的に向こうが折れる形で入国を許可された。
 嬉しかったのだが、自分一人の為に長時間待たせてしまった他の乗客の手前、神妙にしていた。バスに乗り込む際、他の乗客たちに待たせてしまったことを謝った。



 バスは21時過ぎにベオグラードに到着した。

※地図はこちら


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