幼い頃から 僕は 酷く足音に敏感だ
母親が家に近付いてくると玄関まで走り
父親が夜中に起き出すと寝返りを打ち
誰かが訪れてくると 緊張して耳を澄ました
僕は臆病すぎるほどに怖がりだったから
足音が聞こえるたびに耳を塞ぎたかった
けれど足音の主が分かるまでは 決して
張った気を緩めることなど出来なかった
それは今でも変わることなんてできなくて
僕は足音が聞こえるたびに恐怖の狭間で揺れる
いっそ耳を塞いでしまいたいのに 叶わず
一歩 一歩 近付いてくる影に 怯えるのだ
母親が家に近付いてくると玄関まで走り
父親が夜中に起き出すと寝返りを打ち
誰かが訪れてくると 緊張して耳を澄ました
僕は臆病すぎるほどに怖がりだったから
足音が聞こえるたびに耳を塞ぎたかった
けれど足音の主が分かるまでは 決して
張った気を緩めることなど出来なかった
それは今でも変わることなんてできなくて
僕は足音が聞こえるたびに恐怖の狭間で揺れる
いっそ耳を塞いでしまいたいのに 叶わず
一歩 一歩 近付いてくる影に 怯えるのだ